教師という接客業 草思社文庫

齋藤浩(著者)

• 販売会社／発売会社: 草思社
• 発売年月日: 2023/04/05
• JAN: 9784794226518

商品レビュー

2024/04/22

　教員志望の28歳です。教職課程では行政の進める改革の概要を学んでいます。
　本書を拝読し、教員が己の信念と良心の下に長期的目線で子供たちに向き合うことができない環境では、行政が提唱する施策も絵に描いた餅であるように思いました。そして、文科省・教育委員会をはじめとした教育行政機関がそのことを理解しているのか、暗澹たる気持ちになりました。コミュニティ・スクールなどは構想としては良いと思います。が、学校運営に参画する保護者・地域の方が、目先の成果に束縛されるべきではない、教育という長期的営みへの理解をしていないと、各人のエゴを主張する場になりかねないように思いました。理念と現場を並行して勉強しようと、反省させられました。
　合わせて、義務教育が無償であることは、教育へのアクセスを開放するとともに、対価としてのサービスの充実を追求する接客業と一線を画す上でも大切な要件かと思い至りました。しかし、現実には教員に任せれば無料、とのコスパ意識で部活動等の業務が地域移行化されない現状にも、教員へのサービスの期待が込められているように思い、問題かと思いました。
　確固たる信念をもって教育活動を展開できるよう、法律や教養・時事的問題への関心をもって勉強に励みます。

2024/01/14

本書の大半を占めるのは、ちょっとアレな保護者から教師に寄せられた、ちょっとアレな苦情や要望の数々。読んでいて辟易してくるが、どうやら敢えてこうした構成にしたらしく、最後の章でようやく読みたいものが読めた感じ。10年後、20年後、さらにその先の子どもたちのために。そこはブレずに。

2023/06/24

もはや絶望的な状況である。
できる限り多くの人に読んでほしい。
じゃあどうすれば…の具体案を聞きたかったが
その提案さえできないほどの
万策尽きた状況とも言える。