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透明人間そとに出る ハルタC
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透明人間そとに出る ハルタC

路田行(著者)

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透明人間そとに出る ハルタC

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2023/04/14
JAN 9784047374805

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透明人間そとに出る

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商品レビュー

5

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2023/07/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これは詐欺だなぁ・・・・・・ 何、いきなり、不穏な事を言っているんだ、とツッコまれそうだが、この『透明人間、そとに出る』を読み終わって、最初に思ったのだ、これを。 当然だが、悪い意味で言っている訳じゃない。誉め言葉のつもりで、詐欺、と言っている。しかし、如何せん、「詐欺」って表現はよろしくないな・・・もうちょい、マイルドに言うなれば、ギャップが凄い、か? 絵柄は割と緩めなんだが、ストーリーが激烈。そのちぐはぐさが、とんでもない破壊力を、読み手に見舞ってくるのだ、この『透明人間、そとに出る』は。 正直なとこ、凄くグッと来たものだから、心がゴチャゴチャしてしまっており、感想が上手く書けずにいる。読んですぐに、感想を書こうとするものではないな。しかし、下手に日を置いても、形が余計に定まらなくなりそうだったので、いっそ、パッションに任せるか、と強攻。 収録されている、どの短編にも、路田先生にしか出せない味もしくは色に満ちており、優劣は付けがたい。 『透明人間、そとに出る』は男だったら共感できるカッコ悪さ、みっともなさ、それに宿る、ピュアな恋心が、ちょっと不思議な感じで描かれている。『逆のボタンはかけづらい』は、世間が共用してくる常識に「?」となり、自分達の立ち位置を考え直し、自分たちらしい生き方が出来るように変わるキッカケをくれる。 『どうせ明日も同じ君』は、やや怖さを醸しながらも、「不変」と「変化」の面白さを描いており、読み手が期待していたハッピーエンドを魅せてくれた。『察せませんズ』は、人間、やっぱり、ノーヒントで相手の気持ちを察するなんて無理なんだから、ちゃんと、言わなきゃダメだな、と当然のことに気付かせてくれる。 『しばらくハシゴを登っていない』は、地味に重めではあるけど、その重さの分だけ、人と人がちゃんと繋がるって事が、どれほど大切か、を説いてくれている。『ヤナギダクリーク』はタイトルこそ「?」だけど、だからこそ、自分にとって大切なこと、他人にとって大切なこと、を考えさせてくれ、そこに線を引く、また、踏み込んでいく必要さを描いているな、と感じた。 どの作品も、路田先生が、自分と真正面から対話・・・いや、このレベルだと、もう、ぶん殴り合っている感じか、まぁ、穏やかに言えば、バチバチに拳で語り合って、漫画って形にしたんだな、と理解できる。また一人、私の心を満たしてくれる漫画家に出逢えたのが、本当に嬉しい。 この台詞を引用に選んだのは、刺してくるなぁ、と特に感じたものだったので。 ほんと、これは、私の勝手な想像に過ぎんのだが、路田先生にも、こうやって、一緒に美味しいものを食べてくれて、話を真摯に聞いてくれる、「味方」と思える人がいるんだろうな。 その「味方」になってくれた人への感謝が、この作品を描く芽になっているのかも、と思えた。 もちろん、実際は違うかもしれない。 けど、私は、迷って、迷って、その末に、助ける、と自分で決めた大人の方がカッコイイ、と思えたし、そういう大人の描き方をした路田先生に敬意を抱けた。 だから、この台詞にグッと来たのだから、自信を持って紹介する。 「ごみとか片づけてくれて、ありがとう。気が付かないフリして、ごめん。知らない人同士の方が楽だよな。でも、知らないと、一緒に飯も食えないし、ちゃんと味方になれないから。話聞くくらいなら出来るから、今度は玄関からおいで」(by社畜なサラリーマン)

Posted by ブクログ