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キャンパスの戦争 慶應日吉 1934ー1949
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 慶應義塾大学出版会 |
発売年月日 | 2023/03/03 |
JAN | 9784766428674 |
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キャンパスの戦争
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商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
今年読んだなかで暫定第1位! 今月、「日吉台地下壕」見学に参加したのですが、最後にガイドさんから紹介された本です。今年3月に出版され、著者は(いま話題の)塾高の校長かつ「日吉台地下壕保存の会」会長。日吉在学中には、「日吉には、ほら穴がたくさんある」と聞いたことがありますが、こんな歴史があるとは知りませんでした。塾生・塾員のみならず、日本中で読んで欲しい素晴らしい内容です。 「はしがき」に書かれた「慶應義塾の歴史は日本の近現代史そのものであり、日吉キャンパスには激動の昭和史が凝縮されている。(中略)ただし、市民が避難するための場所ではなく、戦争を遂行するために作られた軍事施設だ」ということが本当によくわかります。 慶應・三田校舎が手狭になった上、震災で損傷もしたため、新キャンパスを物色。現・東急から土地の無償提供を受け、古典主義の建築様式をもった「近世アメリカンスタイル」の新校舎を日吉に開設。その後、開戦となり、学徒出陣以降、海軍の軍令部第三部(情報部)が移転。1944年のレイテ沖海戦で主力艦船を失うと、連合艦隊司令部(豊田副武長官以下)も日吉に移り、空襲対策で作った「日吉台地下壕」(総長5㎞)からも作戦を指揮。終戦後、日吉キャンパスは米軍に接収され、長いGHQとの交渉で、4年後の1949年にようやく慶應に返還、というのがざっとした流れです。 見学で実物を見て、ポイントの説明を受けたためか、とてもヴィヴィッドに本の内容が頭に入りました。本書では、慶應生で特攻隊員の上原良司氏(『きけ わだつみのこえ』の「所感」)の記録を1章割いて記述していますが、その後の陸(おか)に上がった海軍指導部とと対比すると、やるせなさで一杯になります(海軍関係者がいらしたら、ごめんなさい)。 慶應は、「日吉台地下壕」を戦争の「負の遺産」として学術研究中心に公開しているとのことですが、「慶應の歴史は日本の近現代史の縮図」でもあり、もっと多くの人に知って欲しいと思うばかりです。これを読んでいれば、お気楽キャンパス・ライフを過ごすのではなく、真剣に勉学に励むべきであったと、自戒を込めてお薦めしたい一冊です。
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慶応高校教諭であり、慶応日吉キャンパスの建築物や地下壕の研究をしている著者が、成果をまとめたもの。日吉キャンパス創設期から、戦争末期の連合艦隊司令部が移設され、終戦後の米軍駐留までの状況をまとめている。研究ノートとしてはよく調べられているとは思うが、国際政治や社会情勢の捉え方に偏...
慶応高校教諭であり、慶応日吉キャンパスの建築物や地下壕の研究をしている著者が、成果をまとめたもの。日吉キャンパス創設期から、戦争末期の連合艦隊司令部が移設され、終戦後の米軍駐留までの状況をまとめている。研究ノートとしてはよく調べられているとは思うが、国際政治や社会情勢の捉え方に偏りがあり、例えば、「昭和10年頃の日本は、国家として「皇室ブランド」をうまく利用して経済発展を果たした」といった点など、違和感のある記述が多い。当時の学生の考え方も一面的。軍事的視点の研究がなされていないので、連合艦隊司令部移設後の内容が薄い。残念。 「通史ではなく時代史、論文ではなく研究ノート、歴史ではなく記録と呼ぶのがふさわしいかもしれない」pv 「(建築家 網戸武夫)(慶応日吉の)第一校舎はその記念すべき第一号の作品ということになる」p13 「(昭和13年)日本が経済的にも世界の一等国になるという期待がそこにはあり、そのために「皇室ブランド」が利用された」p48 「新塾長小泉信三を支え、常任理事として日吉建設を担当したのは槙智雄」p95 「昭和19年9月29日、将旗が日吉に移され、連合艦隊はついに「海」から「陸」に上がったのである」p208 「(地下壕の設営)伊東の第3010設営隊だけでも兵力は1500人となる」p211
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最近、あちこちで書評を見かける、塾高・校長先生の著作。 2段組の内容ながら、読みやすい文体で、サクサク読めた。 慶應義塾の日吉キャンパスが理想を掲げ開校した戦前から 一転、海軍と賃貸契約を結び、海軍総司令部の地下壕まで彫られてしまう。 戦後は、アメリカ軍に接収・・・ キャンパス...
最近、あちこちで書評を見かける、塾高・校長先生の著作。 2段組の内容ながら、読みやすい文体で、サクサク読めた。 慶應義塾の日吉キャンパスが理想を掲げ開校した戦前から 一転、海軍と賃貸契約を結び、海軍総司令部の地下壕まで彫られてしまう。 戦後は、アメリカ軍に接収・・・ キャンパスが戻ってきたのは4年後のこと。 その後、接収されていた校舎で、塾高は、今に至っている・・・ と言う内容。 当時の史料を元にした、歴史の積み重ね。 そこに、文学や哲学がちりばめられるのは、 著者が日本の古典文学を専門とするゆえだろう。 本来、学生を育み守る場が、戦争の加害の場となってしまったことを 重く受け止めたい。
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