あいうべ体操 舌を鍛えれば病気にならない 知的生きかた文庫

今井一彰(著者), 岡崎好秀(著者)

• 販売会社／発売会社: 三笠書房
• 発売年月日: 2023/03/17
• JAN: 9784837988151

商品レビュー

2025/11/27

『あいうべ体操 舌を鍛えれば病気にならない』は、『口を閉じれば病気にならない』 (今井一彰、岡崎好秀／著) (2012年発行,家の光協会)を加筆・改筆・改題した文庫本である。

「あいうべ体操」という簡単にできるトレーニングによって、舌や口の周りの筋肉を鍛え、口呼吸ではなく、鼻呼吸を習慣づけましょうと提唱した本である。

著者の本は、『正しく「鼻呼吸」すれば病気にならない あなたの、いまの呼吸法は間違っている!』 (2012年発行,河出文庫)や、『健康でいたければ鼻呼吸にしなさい あいうべ体操と口テープでカラダがよみがえる!』 (2015年発行,河出書房新社)も読んでいるが、どの本も内容は一貫している。本書は最新版のため、説明が詳しく書かれていると感じる部分もあるが、根本的な違いはない。重要なのは、自然治癒力を高めるために「あいうべ体操」で舌を鍛えて口を閉じ、鼻呼吸をすることなのである。したがって、通常は著者の呼吸に関する本のどれか1冊を読めば十分である。あとは実践あるのみ。続けることが大切だ。

本書で一点だけ気になったことがある。それは、口にサージカルテープを貼って寝る「口テープ」の考え方だ。過去の著作とは、だいぶニュアンスが変わっていた。

『健康でいたければ鼻呼吸にしなさい』では、「口テープ」は毎日行うように書いてあった。

●「あいうべ体操」と同じく、「口テープ」も毎日続けましょう。(p10)

●就寝時の「口テープ」は、本来の鼻呼吸に戻れたら卒業です。しかし、できるだけ続けたほうがよいのです。私も毎晩、寝るときは「口テープ」を貼っています。その理由は、就寝時に鼻で呼吸するのが習慣の人でも、就寝中に動き、寝返りを打った拍子に顔や口が圧迫され、口で呼吸する場合が少なくないからです。(p72)

しかし本書では、対処法の扱いとなっていた。

●ただしマウステープは補助的な方法で、根本治療は自分の力で口がしっかりと閉じるようになることだと認識してください。(p149)

私は、「あいうべ体操」と「口テープ」は、毎日行っている。基本的には鼻呼吸をしているが、就寝中には、やはり何かの拍子で口呼吸になり、口内が乾く感覚を覚えることがあるからだ。経験から、「口テープ」は有効だと感じているので続けているが、本書の記述をみると、この数年の間に何かあったのだろうかと思ってしまう。

「あいうべ体操」自体は、著者のクリニックのホームページにも載っている。
https://mirai-iryou.com/selfcare/aiube/

ホームページを見て、納得し、実行するような人なら本を読む必要もないだろう。本書はより詳しく知りたいという人や、理論派に向いている。文庫本で手に取りやすいのも利点だ。