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差別の地域史 渡辺村からみた日本社会 シリーズ宗教と差別第3巻
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 法蔵館 |
発売年月日 | 2023/02/10 |
JAN | 9784831857231 |
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差別の地域史
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▼だから、問いを持つ勇気は学問的にはとても大切だし、それが自分の立場の客観性を疑わない「研究」と、自分の立場を疑いつつ物事を考えていく「学問」の違いだと、私はそう考えるようになりました。そうした場というのは、かならずしも大学じゃなくてもいいんです。(p.27、「出会いと共感が創り...
▼だから、問いを持つ勇気は学問的にはとても大切だし、それが自分の立場の客観性を疑わない「研究」と、自分の立場を疑いつつ物事を考えていく「学問」の違いだと、私はそう考えるようになりました。そうした場というのは、かならずしも大学じゃなくてもいいんです。(p.27、「出会いと共感が創りだす新しい部落史」、磯前順一) この本は、なにかで書評をみて、それで図書館で借りてみた。 巻頭言に、この本の立場が表明されている。 ▼本シリーズでは、自分こそが差別の当事者だという立場を取る。言うまでもなく、差別されてきた当事者としてではなく、差別を作り出す当事者としてである。「人間は差別を生み出す動物である」。それが基本的な姿勢と視点である。それは、学術研究の世界に身を置くかどうかに関わりなく、差別を論じるための最低限の資格だと私たちは考えている。(p.2、「巻頭言」、磯前順一・吉村智博・浅居明彦) 「巻頭言」「はじめに」と、それに続く対談「出会いと共感が創りだす新しい部落史」を読んでみた。監修者3人のうち、磯前順一と浅居明彦が語り、司会は吉村智博。 磯前が、参与観察(participating observation)について、こう語っている。 ▼…現場に当事者として参加する行為(Participation)と、同時にそれを観察する行為(observation)がどういう関係にあるかということについては、少なくとも日本語で出されている宗教学の本などでは、誰もきちんと説明していないんですよ。結局のところ、こうした言葉を短く用いられると、観察対象にされた現地の人たちを体よく利用して終わってしまったり、逆にそんな立場に立つ研究者はすべからく搾取者だと被害妄想気味になって学者を告発したりする。そして、その告発をしている自分は真理に目覚めた者だと、自己を正当化して満足する。 いずれにしても、自分だけは、現地のこともわかるし学問のこともよくわかるというオールマイティな立場をとり得るという、例外主義的な幻想に浸って終わってしまいます。私の知るかぎりでは、学者が本当に現地の人と関係を結ぶということが、どういうことを意味するのかについて、少なくとも日本の宗教学という世界では真剣に詰めて考えられてこなかった。(p.25、「出会いと共感が創りだす新しい部落史」、磯前順一) そのうえで、研究者の姿勢が問われるべきなんだと思った、と磯前は言う。 ▼…学者が正しいのか、現地の人間が正しいのか、その二者択一ではなく、それぞれの立場において自分の立場を捉え返すやり方が問われるべきなんだと、身をもって教えてもらったんです。その可能性を切り拓く機会を作り出すのが、まさに「参与観察」なんだと…(p.26、「出会いと共感が創りだす新しい部落史」、磯前順一) この二人の対談は、あちこちメモっておきたいところがある。 「僕らは被差別部落、部落民としての差別を受けてるけど、他者に対しては差別する側なんです」 当事者としての立場を引き受けながら、「脱構築」の作業を通して、その立場性を、加害者も被害者もともにずらしていく 差別の問題は、日本の宗教史を考えるうえで、きわめて興味深いテーマ 「翻訳不可能なもの(the untoranslatable)」 相手の世界は翻訳できないということを前提として、他社の世界に入っていかないといけない 自分にとって理解しがたい相手の日常生活に入るということが大事 … とりあえず返却期限がきたので、いったん返すが、また借りてきて読もう。 (2023/7/9 読み中)
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