おとな体験授業？

なかがわちひろ(著者)

• 販売会社／発売会社: アリス館
• 発売年月日: 2023/03/03
• JAN: 9784752010579

商品レビュー

2024/05/17

ちょっと考えることができる良い児童書
ビーカーに入った不思議な液体で、大人になって職業体験ができるお話だが、おもしろいのはそれぞれがなりたかった職業とは違う職業についていること
新しい自分を発見するお話

2024/03/09

表紙のデザインと優しい色合いが好き。もちろんなかがわちひろさんのやんわりな画風もかわいい大好き。（なかがわさんのブログにこの本の制作工程のような記事があって、あわせて読んでみるとおもしろい）
理科の授業の実験で、タイトル通り子ども達がおとな体験をするというユーモアあり優しさありのお話。それぞれ「大人になったらなりたいもの」を紙に書くのだけれど、実験結果、思った通りにはいかないわけです。…実験は成功なのか不成功なのか、それとも実際大人ってもんになると思い通りにはならないもんだよ～ってことなのかな。
それでもそれぞれに良さを見つける子ども達。こうなりたい・ああなりたいと思っていてもあんがいそれ以外のこともできちゃったり、むしろそれ以外のことのほうが向いていちゃったりする。いくつになっても、それに気づけてハッピーになれたらラッキーだよね◎と思った。
子どもだけでなく、色々悩めるお年頃の人々にも読んでみて欲しい一冊。

2024/01/20

５人の子どもたちが、大人体験授業をうけるお話。

紙に将来やりたい仕事を書いて、液体に入れると、ふわふわと大人体験の世界に飛ぶという冒頭が面白く、心を掴まれる。

自分がなりたい職業じゃなく、友達がなりたい職業体験をすることになってしまったけれど、結果的には自分の隠れたよさに気づくのがいい。その仕事に意外な力が役立つことに気づいたり、自分の可能性の広がりを感じられたりする。

予想外のお仕事体験をしていく面白いストーリーの中でいろいろな仕事の魅力や苦労が垣間見えたり、仕事全般の価値について考えていくことができたりするのも魅力的だった。

「おとなは　プレゼントこうかん　みたいなもんを　してるってことかな　じぶんが　できることを　すこしずつ　だれかに　あげる　それが　どんなものでも　あいてが　名前も　しらないひとでもさ」

表紙・裏表紙に「ときどきおひるをたべそこねる」「うれしくても走らない」など、「おとな」のユーモラスな特徴がたくさん書いてあった。だから、「子ども」と「おとな」の違いをユーモラスに表現したお話なのかなと期待して読み始めた。だけど、実際には「仕事」を体験するお話だった。そこが既視感を否めず個人的にはちょっと残念…。とはいえ、十分独自性があって面白かった。

２、３年生が仕事に関する学習をするタイミングで差し出したいなと思った。