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「音楽の都」ウィーンの誕生 岩波新書1962
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「音楽の都」ウィーンの誕生 岩波新書1962

ジェラルド・グローマー(著者)

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「音楽の都」ウィーンの誕生 岩波新書1962

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2023/02/24
JAN 9784004319627

「音楽の都」ウィーンの誕生

¥220

商品レビュー

2.8

4件のお客様レビュー

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2023/10/07

ウィーンがなぜ音楽の都になったのか?バッハ、ヘンデルたちはそれぞれ他の町で活躍していたし、イタリアがバロック音楽やオペラなど音楽先進国だった。グルックはパリ、ハイドンはロンドン、モーツアルトはプラハで、サリエリはミラノすでに成功していたが、彼らの時代から既に音楽の都となり、この人...

ウィーンがなぜ音楽の都になったのか?バッハ、ヘンデルたちはそれぞれ他の町で活躍していたし、イタリアがバロック音楽やオペラなど音楽先進国だった。グルックはパリ、ハイドンはロンドン、モーツアルトはプラハで、サリエリはミラノすでに成功していたが、彼らの時代から既に音楽の都となり、この人たちやベートーベン、シューベルトなどを引き寄せた町だった。ハプスブルク家の皇帝一族や上流階級だけでなく、一般市民にまで音楽が愛されるようになったその時代背景を庶民レベルの音楽教育の状況などまで触れて解説してくれており、目が開かれる思いであった。北ドイツの諸都市が疲弊した七年戦争(1756~)も影響したというが、欧州の都市では類を見ないような民族構成の多様性、ハプスブルク家の皇族たちの音楽的才能を発揮したこと、ウィーン市民の社交ダンス熱などが、関係ありそうに感じた。ドイツ語圏でウィーンだけが、学問より芸術がはるかに深く尊敬、評価、支援され、文豪・哲学者はウィーンからは出ていない!とは気が付かなかったが面白い。絵画分野でもクリムトを始め、著名画家が多いという。

Posted by ブクログ

2023/05/06

日帰り帰省、往復の車中で読了。 現在にも続く、音楽の都=ウィーンのイメージ。 19世紀後半に、ドイツ・ナショナリズムの一面として形成された。 本書は、そのナショナリズムの中での形成過程ではなく(きっとそれはすでに研究があるのだろう)、時間を17~18世紀まで巻き戻し、この街の音...

日帰り帰省、往復の車中で読了。 現在にも続く、音楽の都=ウィーンのイメージ。 19世紀後半に、ドイツ・ナショナリズムの一面として形成された。 本書は、そのナショナリズムの中での形成過程ではなく(きっとそれはすでに研究があるのだろう)、時間を17~18世紀まで巻き戻し、この街の音楽文化を解きほぐしていく。 どちらかというと、都市としてはウィーンの同時代のヨーロッパにあっての後進性が浮き上がる。 パリやロンドンとの違いとして冒頭部分に挙げられるのが、市街区の小ささから、同じ建物に割と広い階層の人々が密集して住んでいたという条件。 これが社会階層が異なる人々にも、音楽が共有されやすい基盤になったという指摘が面白い。 皇帝一家もそれぞれが音楽を嗜むが、ローマ教皇の命を受け入れ、宗教音楽が音楽として自立する動きを牽制する。 18世紀後半には、音楽文化を庇護してきた宮廷・教会・貴族たちも力を失う。 劇場、バレエもその動きに翻弄される。 それ以外にも作曲家、演奏家も職を失い、音楽教師が大量に供給されることになる。 こうして、ウィーンでは召使の娘でさえ、ピアノを弾くという状況が生まれていく。 音楽が「業界」となるうえで、教育と楽譜出版、楽器制作にも目配りされている。 ただ、楽器制作は14世紀から始まっているとされていて、なぜ19世紀ウィーンで、開発競争のようにピアノ製作が盛んになったのかはあまり書かれていなかった。 これも類書があって避けたのか、とも思うけれど、どちらかというとそこに関心があったので、残念。 享受の場として、劇場はもちろん、音楽サロンと舞踏会が入っているのは、自分にとっては目新しかった。 上層階級は、社交範囲も限られ、音楽の楽しみ方も保守的だが、それ以下の人々には割と平等に音楽が楽しまれる機会が開かれていたという。 音楽文化を享受する裾野の広がりが大変なことになっている。 現在の高踏的な「クラシック」とはまた違う様相が見られて面白い。 そういえば、「クラシック」のドイツ語、「クラシッシュ」は、19世紀前半では「模範」「不滅の価値がある」程度の意味合いであって、特定の音楽スタイルや作曲家の作品を指すものではなかったことも、本書に教えてもらった。

Posted by ブクログ

2023/05/02

なんか期待していた内容とは随分違った。こちらは古楽というものをほとんど聞かないから、前提となる知識がさっぱりない。なもんで、出てくる名前が初めて聞くようなものばかりで、かなり流し読みになってしまった。 最後の段落「ウィーンが再び音楽史に重要な役割を演じるのは19世紀後半のことにな...

なんか期待していた内容とは随分違った。こちらは古楽というものをほとんど聞かないから、前提となる知識がさっぱりない。なもんで、出てくる名前が初めて聞くようなものばかりで、かなり流し読みになってしまった。 最後の段落「ウィーンが再び音楽史に重要な役割を演じるのは19世紀後半のことになろう。ドイツのブラームス、リンツのブルックナー、スロヴェニアのヴォルフ、ボヘミアのマーラーなどが皆ウィーンに渡来し、後期ロマン派の音楽文化の土台を築き上げることになる。しかし、それは「音楽の都」の誕生とは全く別の話といわなければならない。」 いや、そこを読みたかったんです。

Posted by ブクログ

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