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日本史で学ぶ「貨幣と経済」 PHP文庫
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日本史で学ぶ「貨幣と経済」 PHP文庫

飯田泰之(著者)

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日本史で学ぶ「貨幣と経済」 PHP文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 PHP研究所
発売年月日 2023/02/01
JAN 9784569902968

日本史で学ぶ「貨幣と経済」

¥605

商品レビュー

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2024/09/03

*****  現代におけるマネーは現金と預金通貨に大別される。このうち,私たちが資産として保有する銀行預金とは銀行にとっての負債である。この負債の価値の法的裏付けに,各銀行は日本銀行に保有する口座に預金(日銀当座預金)を持たなくてはいけない。これらの銀行の日銀預金は各銀行にとって...

*****  現代におけるマネーは現金と預金通貨に大別される。このうち,私たちが資産として保有する銀行預金とは銀行にとっての負債である。この負債の価値の法的裏付けに,各銀行は日本銀行に保有する口座に預金(日銀当座預金)を持たなくてはいけない。これらの銀行の日銀預金は各銀行にとっての資産であり,広義の政府にとっての負債である。そして,現金もまた,政府の負債としての性質を持っている。古代と近世に日本国内で流通していたマネーは政府の負債としての性格がある。貨幣が政府負債としての性格を有するとき,貨幣価値にとって政権の安定性や経済政策は決定的な影響力をもつことになることは容易に理解できるだろう。  また,逆説的ではあるが,「負債としての貨幣」への注目は「負債としての性格を有さない貨幣」を考えるうえで示唆的である。銭貨が登場する以前,また平安後期においては,取引の決済に稲・絹・麻布といった商品が用いられていた。これらの商品が誰かの負債ではないことは言うをまたない。さらに,中世の銭貨は誰かの負債ではないうえに,商品としての価値さえも有さなかったと考えられる。現代であれば,分権的に管理される電子・暗号資産は誰の負債でもなく,そして当然ながら商品としての価値も持たない。主要なマネーが政府負債ではない状況で,経済はどのように運営されるのだろう。  近年の経済論壇においては,政府負債としての貨幣と政府のコントロール外にある貨幣という対照的なマネーのあり方がともに注目を集めている。前者の議論にしたがうならば,政府が自国通貨(日本であれば日本円)単位で負債を発行することができ,自身で発行することができる(例えば印刷することができる)自国通貨で負債を返済できることは,財政運営上きわめて特異な価値を持つということになろう。一方で,物価や実体経済に大きな影響を与えるマネーのふるまいを国家・政府に独占させることを問題視するならば,政府負債ではない,さらには商品でさえない電子・暗号資産こそが期待されるマネーの将来像となるわけだ。  日本におけるマネーはこのいずれの方向に向かうのか,または向かうべきなのか。新しい時代を迎えた今,遠い昔を振り返りつつ,令和時代の貨幣論を考える意味は小さくないと考える。(pp.22-24)

Posted by ブクログ

2023/07/25

日本も貨幣制度の転換に関して歴史をわかりやすく書かれていて歴史書としても面白い一冊だと思いました。 個人的にビットコインとヤップ島の石貨の共通性に関して印象に残りました。

Posted by ブクログ

2023/02/27

<目次> 第1章  国家にとって「貨幣」とは何か 第2章  貨幣の基礎理論を知る~マネーは商品か国債か 第3章  信頼できる債務者を求めて~貯蓄の渇望が銭を求めた 第4章  幕府財政と貨幣改鋳~日本における「貨幣」の完成 終章   解題にかえて~歴史から考える転換期の貨幣 <内...

<目次> 第1章  国家にとって「貨幣」とは何か 第2章  貨幣の基礎理論を知る~マネーは商品か国債か 第3章  信頼できる債務者を求めて~貯蓄の渇望が銭を求めた 第4章  幕府財政と貨幣改鋳~日本における「貨幣」の完成 終章   解題にかえて~歴史から考える転換期の貨幣 <内容> 貨幣理論の話を日本史で説明した感じの本。経済学がわからないと難しい。日本史の部分はすらすら行くけど、貨幣理論の第2章などはかなりしんどかった。でも、通常の歴史とは違う視点から貨幣を評価している点が面白かった。

Posted by ブクログ

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