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南洋のソングライン 幻の屋久島古謡を追って
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | キルティブックス |
発売年月日 | 2022/11/20 |
JAN | 9784991079276 |
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南洋のソングライン
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わたし自身も10年前に屋久島に移住してきたクチであり、著者の大石さんには面識がありませんが取材で訪ねてゆかれる場所や人々は直接知る機会に恵まれている場合もあったりして、そもそもこの本を入手したのも歌い手さんのライブ終了後に編集者さんから直接買い求めるという、稀有な状況で、大変楽し...
わたし自身も10年前に屋久島に移住してきたクチであり、著者の大石さんには面識がありませんが取材で訪ねてゆかれる場所や人々は直接知る機会に恵まれている場合もあったりして、そもそもこの本を入手したのも歌い手さんのライブ終了後に編集者さんから直接買い求めるという、稀有な状況で、大変楽しみながら読了しました。「まつばんだ」という由来が定かでない謎の古謡の背景を探るというのが主題なのですが、本の企画を提案されるところから時系列に沿って著者大石さんの探索旅行を追体験するような構成になっており、広い範囲の資料や聞き取りからいろいろな情報や事実が列挙されつつも、鮮やかな手並みで整理していってくださるので興味も集中力も途切れないままに一息に読めました。古謡まつばんだと、うたの形に捉えられその中に息づいている大いなるものの気配(調査に当たる面々からは畏れながらも親しみを込めて「まつばんだ様」と呼ばれていました)に導かれて、著者は古謡の謎を解き明かそうとしながら同時に屋久島という、ある種閉じた共同体についても理解を深めてゆきます。時にご自身についても振り返りながら綴られる屋久島についての考察は、出来うる限り客観的であろうと自らを律し、受け止めるけれども判断や批評はすまい、という固く熱い決意に基づいているように感じられ、読んでいて大変清々しかったです。しばらく前に映画「大海原のソングライン(Small Island Big song)」を見ていたこともあり、うたが伝わっていく地理的なラインという意味かと思いながら読み始めたのですが、それだけではなくうたに関わった人々の父母祖父母祖先へと連なる時間的なライン(つながっていく道)という意味もあったのだな、と思いました。
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