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菅江真澄 図絵の旅 角川ソフィア文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2023/01/20 |
JAN | 9784044006792 |
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菅江真澄 図絵の旅
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商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
昔からこういう旅日記をつけるのが 好きな人間が一定数いてくれて ありがとうって感じです(*´∀`*) 私も旅日記、描くのも読むのも大好き。 菅江真澄は国学などを学んだ後 30歳で旅を始めたのを皮切りにして 東日本を中心に歩き回った旅の人。 その興味はアイヌにまで及び 当時(江戸...
昔からこういう旅日記をつけるのが 好きな人間が一定数いてくれて ありがとうって感じです(*´∀`*) 私も旅日記、描くのも読むのも大好き。 菅江真澄は国学などを学んだ後 30歳で旅を始めたのを皮切りにして 東日本を中心に歩き回った旅の人。 その興味はアイヌにまで及び 当時(江戸時代)の集落の様子や 風俗などを描き残している。 おお〜! イザベラ・バードの先達がここに! しかも今回の刊行はフルカラー。 200年以上昔の人が残した 素敵な民俗資料が文庫で見られるとは。 嬉しい限りです。
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・石井正己編「菅江真澄 図絵の旅」(角川文庫)は読んだといふより見たと言ふべきか。書名通り図絵中心の書である。真澄は三河の生まれの人だが、その絵は東北のものが多い。若い頃旅立つたまま、こちらに帰ることなく亡くなつたからである。彼の絵は独特のもので、その絵の「真澄独特の稚拙な表現は...
・石井正己編「菅江真澄 図絵の旅」(角川文庫)は読んだといふより見たと言ふべきか。書名通り図絵中心の書である。真澄は三河の生まれの人だが、その絵は東北のものが多い。若い頃旅立つたまま、こちらに帰ることなく亡くなつたからである。彼の絵は独特のもので、その絵の「真澄独特の稚拙な表現は、文人の間に流行していた真景図とは違って、御伽草子絵に近い」(辻惟雄、331頁)ものであるらしい。風景画も多いが、民俗的な絵も多い。個人的にはこちらに興味がある。真澄は2400点ほどの絵を残してゐるとい ふ。それからすればここに載るのは112点、20分の1以下である。それでも色がついて細かなことまで 分かるやうになつたのはありがたい。 ・真澄30歳、旅立つたばかりの頃の絵、七夕人形(26頁)、これはつるし雛である。伊那といつても松本に近い場所である。松本の押し絵雛のやうなものであらうか。軒端に7つの人形がぶら下がつてゐる。刀を差す人形もあるから、子供ではなく大人なのであらう。七夕行事の人形であるといふ。これにどのやうな 行事が伴つてゐたのか、残念ながら分からない。てるてる坊主もある。一気に北海道に飛ぶ。「てろてろぼ うず」(46頁)である。これは変はつてゐて、半分に切られたのが木にぶら下がつてゐる。しかも逆さまである。「雨が晴れると、このてろてろぼうずを一つに合わせて完全な形にし、御馳走をしてお礼を申すという。」(同前)かういふことをする地域が今でもあるのだらうか。これはアイヌの習俗ではないといふ。ついでにずつと後ろに飛ぶとおしらさま(258頁)がある。真澄晩年の絵である。多くの布に包まれた2体もあるが、男女や馬、鶏もある。馬娘婚姻譚と言ふから、馬と娘が多いのかと思へばさうでもないのであるらしい。真澄の時代も現在も変はりなく信仰されてゐるのはさすがと言ふべきか、19世紀初めのおしらさまを見ることができるのである。珍しいものをかうして描いて残してくれたのは本当に有り難い。関連して恐山がある。真澄40歳の頃の絵である。見開き2枚の絵が載る。左側75頁の絵は参道から地蔵堂を描 く。地蔵堂は小さいやうな気がする。今の地蔵堂はそこらの寺の本堂くらゐはある。ところがここのは、灯籠や石段と比べると、そんなに大きなものとは見えない。村の地蔵堂といふ感じであらうか。恐山といつたところで、現代のやうに人が多く行くやうな場所ではなかつた。これで良かつたのかもしれない。手前には 温泉がいくつか、これは現代と同じである。左手には煙が出ているところがいくつもある。昔も何とか地獄と言つたのであらうか。ここを更に行けば宇曽利湖なのだが、これは右の74頁にある。三途の川は丸木橋 である。人の姿が見えないのは実際に人がほとんどゐなかつたのであらうか。イタコの口寄せでもと思ふのだが、「この時代にはまだ(中略)イタコの口寄せは見られない。」(73頁)さうである。あれも人がゐてこそ成り立つ。さういふ事情であるかどうか。とまれ、恐山が昔から荒涼とした風景であつたことが分か る。その他、112点しかなくても十分におもしろく見ることができる。これがオールカラーで全点そろつ てゐたらと思ふ。壮観であらう。そして民俗や風景に関する多くのことを教へてくれるはずである。個人的には、真澄が若い頃に絵を描かなかつたのが残念でならない。若書きでも習作でも、三河周辺の絵が残つてゐればどれほどおもしろいことか。風景であれ民俗であれ、真澄の目は確かである。真澄の目で見た江戸の 三河の風景を見てみたいと思ふ。しかし、東北の風物で我慢するしかないのが残念である。
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個人的な話。 初めて青森県の山内丸山遺跡に行った時。史料展示室の壁にはかなり長大な等尺年表があった。山内丸山は縄文期から平安期頃まで人の住む地だったので、そこまでの時代については記載が多い。等尺年表なので、その後は昭和の発掘調査まで、ほぼ真っ白。空白。ところが、 ……江戸期に記...
個人的な話。 初めて青森県の山内丸山遺跡に行った時。史料展示室の壁にはかなり長大な等尺年表があった。山内丸山は縄文期から平安期頃まで人の住む地だったので、そこまでの時代については記載が多い。等尺年表なので、その後は昭和の発掘調査まで、ほぼ真っ白。空白。ところが、 ……江戸期に記載がある! それが菅江真澄の記録。土偶や土器片をスケッチし、土地の人からの聞き書きを残している。しかも克明に。 菅江真澄がすごいのは、江戸後期に北海道へ渡って越冬もしている。そしてアイヌの人々の文物•文化•言語なども記録に残したこと。アイヌ語には"文字"がないので、聞き書きのアイヌの言葉の記録は貴重だ。現在、アイヌ語がわかる人が読むと、当時のアイヌの人々の風習がわかるそうだ。 平凡社東洋文庫で出ていた『菅江真澄遊覧記』は白黒だった。しかし菅江真澄の記録は、本人の描くカラフルな記録画があって初めて真価を発揮する。この「図絵の旅」はカラー図版が豊富に載っている。偉いぞ角川ソフィア文庫!ちょっとお高いけど、許す。 そして本書では触れていないが、菅江真澄の記録には謎の空白期間がある。津軽藩滞在時の日記だけがごっそりと欠けているのだ。およそ40年にわたって記録されたものに欠落があるのは何故か。 歴史の教科書には出てこない、地方に住む民衆の、しかも忘れられてしまった記録をこうして目にする機会がある私達は幸せだ。
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