オリヒメ 人と人をつなぐ分身ロボット

吉藤オリィ(著者), 加藤悦子(著者)

• 販売会社／発売会社: 子どもの未来社
• 発売年月日: 2023/01/20
• JAN: 9784864122276

商品レビュー

2024/08/27

分身ロボットカフェDAWNが日本橋にオープンしたときは、様々なメディアで取り上げられていた。

AIロボットではなく、分身ロボット。
身体に重い障がいを持つ人も、遠隔地からオリヒメ(分身ロボット)を操作することで接客の仕事ができる。
これは本当にすごいなぁ．．．どんな人が開発したんだろう．．．天才には違いないだろうけど．．．
など色々な思いが浮かんだが、この本を読んでまた深く心が震えた。

開発者のオリィさんの子ども時代や、障がいのある人の助けになるロボットを作ろうと考えるようになったいきさつなど
児童向けの本だが、大人にも読んでほしい。もちろん親子で一緒に読むのも。

こういう人が世界を変えていくのだろうな、と実感した。

2023/11/22

「分身ロボット」を開発し、「分身ロボット・カフェ」をオープンした吉藤オリィさんの話。「分身ロボット」が、難病などで動けない人たちの希望になるということが驚きだった。「分身ロボット」を操作することで、動けない人たちや遠くにいる人たちでも遠隔で「働く」ことができるなんて、すごい。

元バリスタでALSになり、もうバリスタの仕事はできないと思っていたけれど、「分身ロボット」でコーヒーを淹れられるようになった方のエピソードが印象に残った。分身ロボット・カフェで働いたお金で娘さんに誕生日プレゼントを贈り、「ありがとう」と言われたことがとても嬉しかった、いつも「ごめんね」「ありがとう」を言ってばかりだったから、という言葉にハッとした。

「分身ロボット」がなぜ「人と人をつなぐ」のかということが、とてもわかりやすく伝わってくる。従来では出会うはずがなかった「寝たきり」の人が、「分身ロボット」を通して会話したり、食事を運んだりコーヒーを淹れてくれたりする。その過程でお客さんとも交流が生まれるし、「分身ロボット・カフェ」で働く人同士の間にも「リアル」に近い感覚で絆が生まれていくだろう。

人を癒すのはロボットではなく「人」であるという気づきから、「人と人をつなぐ」ロボットというコンセプトを大切にしていることがとてもいいなあ。AIのすごさにスポットがあたるこの時代に、あえてAIを搭載したロボットではなく、「人」が動かすロボットを開発しているというところに共感した。

2023/06/06

吉藤オリィさんの生い立ちや、研究所で発明したオリヒメを始めとするものの紹介、どうして、そういう発明をしたかという背景紹介など。伝記の学習でも良いし、バリアフリーや共生がテーマの授業でも役立ちそうな本です。集団になじめない、こだわりのある性格で学校になじめないお子さんや保護者、関係者にもオススメです。
分身ロボットカフェDAWN、行ってみたいな。やや高めだったり、予約必要だったりするけど、もっと普通にいろんな場面で分身で働いたり、バーチャルやロボットの手助けを受けながら、動き辛い人の可能性が広がる社会になるといいと思います。