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生きていく絵 アートが人を〈癒す〉とき ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2023/01/12 |
JAN | 9784480438560 |
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生きていく絵
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東京都の精神科病院「平川病院」にある「造形教室」には、主に同病院に入院・通院する人たちが参加し、アートを通じた自己表現によって自らを「癒し」、自らを支えるという活動が営まれている。この教室を主宰する安彦講平さんと、教室に通う4人の作家の作品や人生を通して、私たちが生きている現代社...
東京都の精神科病院「平川病院」にある「造形教室」には、主に同病院に入院・通院する人たちが参加し、アートを通じた自己表現によって自らを「癒し」、自らを支えるという活動が営まれている。この教室を主宰する安彦講平さんと、教室に通う4人の作家の作品や人生を通して、私たちが生きている現代社会の「生きにくさ」について考える。 実際に病んでいるのはその人を取り巻く人間関係そのものであるのに、たまたま弱い立場におかれた人やケア労働を負わされた人の身体を通じて症状が現れているのが心の病なのではないか、という指摘は重要だと思う。社会の「生きづらさ」という根本的な病巣をなくさなければ、その白羽の矢はいつ私たち自身に降り立っても不思議ではないのだ。 コラージュ作品を作る江中さんの章で、「喜怒哀楽」のうち、「喜・楽」といったポジティブな部分は主に自然現象で、「怒・哀」といったネガティブな部分は主に人間の図像で表現されているという指摘が面白い。また、この世界には、まるで「質量保存の法則」のように一定量の「哀しみ・憎しみ」が存在していて、人々はそれを分け合ったり、押しつけ合ったりしながら生きている、という視点も興味深いと思った。 「造形教室」のような試みが長年続けられていて、またそれが『破片のきらめき』というドキュメンタリー映画で扱われていることはまったく知らなかった。機会があれば、ぜひ観てみたい。そして「造形教室」を主宰する安彦氏のように「もう少しだけ明るい場所」を探して歩き続ける「小さなカリスマ」が、日本には意外と多いという著者の肌感覚に、私は希望を感じた。
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アウトサイダーアートという作品としての見方ではなく、アートセラピーという治療としての見方でもない。 ある精神病院で長く続く「造形教室」という絵を描く活動の場所について、 その場で生きている一人一人の話を丁寧に描いている本。
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