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瘋癲老人日記 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2022/12/21 |
JAN | 9784122072985 |
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商品レビュー
2
2件のお客様レビュー
随分まえに読むのを断念した覚えがあったので今度こそ読破しようと読み始めた。 読めば読むほど気持ち悪い。谷崎作品ではじめて読んだのは短編の「富美子の足」だったが、そのときもすごく気持ち悪く思ったのを覚えている。それはまあ、フット・フェティシズムという自分の中になかった概念を受け入れ...
随分まえに読むのを断念した覚えがあったので今度こそ読破しようと読み始めた。 読めば読むほど気持ち悪い。谷崎作品ではじめて読んだのは短編の「富美子の足」だったが、そのときもすごく気持ち悪く思ったのを覚えている。それはまあ、フット・フェティシズムという自分の中になかった概念を受け入れられなかったある種の若さだと思えるのだが、この話はちょっと違う気がする。 読みながら何度も、自分はいま成人向けコンテンツの脚本でも読んでいるのかな、と錯覚した。自分の父が自分の嫁にこんなに露骨に異常性欲をむき出しで向き合っていたらと思うと反吐が出そうだし、仮に妹などが嫁いだ先で、義父がこんな感じだなんて報告されたら、いますぐ離縁して帰って来なさいと言うだろう。 谷崎作品にありがちな、セカンドパートナーをお互いに許し合っている夫婦、周りの男を老いも若きも手玉にとって遊ぶ毒婦、美女に踏まれることに焦がれる男、という要素がもりだくさんで正直胸やけしそう。 そして極めつけは、あまりにすっきりしない終わり方だったので「もしや絶筆作品なのか」とグーグル先生に尋ねたときに、颯子のモデルは妻の連れ子の嫁で、往復書簡から実体験をもとに書き上げた作品と知ってしまったのはまずかった。脳裏に描いた卯木老人の顔と谷崎の近影が重なり合って気色悪い。 これも老いなければ理解できない高等芸術なのだろうか。自分の凡庸な感性が恨めしい。
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性に執着する老人を戯画的に描き出した晩年の傑作長篇。絶筆随筆「七十九歳の春」他、棟方志功による美麗な板画を収載。〈解説〉吉行淳之介/千葉俊二〈註解〉細川光洋
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