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ブラックアウト 迫り来る電力危機の正体
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | ビジネス社 |
発売年月日 | 2022/11/01 |
JAN | 9784828424590 |
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商品レビュー
3.5
4件のお客様レビュー
昨年夏の猛暑の時期に、タイトルに興味を持ち読んでみた。 著者のスタンスに完全に賛同する訳ではないが、日本の電力市場の実態や地政学的な動向、脱炭素社会実現のリスク、エネルギー安全保障など、多様な角度から分析・データとともに紹介している。 特に、ウクライナ侵攻以前からドイツがロシ...
昨年夏の猛暑の時期に、タイトルに興味を持ち読んでみた。 著者のスタンスに完全に賛同する訳ではないが、日本の電力市場の実態や地政学的な動向、脱炭素社会実現のリスク、エネルギー安全保障など、多様な角度から分析・データとともに紹介している。 特に、ウクライナ侵攻以前からドイツがロシアから大量に天然ガスを輸入しており、その背景に自国の脱炭素化に向けた石炭火力発電所廃止などが影響しており、地政学的なリスクを生み出していた(ロシアが政治的な”武器”として天然ガスを使える)ことなど、エネルギー政策における考慮すべきリスクの複雑さ・多様さを改めて認識した。 円安や気候変動が進む中、日本のエネルギー安定供給は最早当たり前ではないことを突きつけられる。
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電気代の値上げに隠された電力自由化の政策ミスと再生可能エネルギー利権に翻弄される国の様子が分かりやすくレポートされています。火力発電の燃料は世界情勢が混沌としているため不安定、原発も廃止方針を出したため技術者不足と製作不能な部品があるとか。ブラックアウトも大変ですが、原発再稼働は...
電気代の値上げに隠された電力自由化の政策ミスと再生可能エネルギー利権に翻弄される国の様子が分かりやすくレポートされています。火力発電の燃料は世界情勢が混沌としているため不安定、原発も廃止方針を出したため技術者不足と製作不能な部品があるとか。ブラックアウトも大変ですが、原発再稼働は議論が多い中で厳しい現状かと。もっと本質的な危機が迫っているのではないかと思わざるを得ません。かつての繁栄を夢見た右肩上がり経済を目指す政治のあり方から考える必要を感じました。
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電力自由化が始まってはや10年。 日本の電力システムは自由化を通じて、価格が下がったのか。 残念ながらNo.である。というか弊害のほうが目立っている。 自由化前は東京電力や関西電力が総括原価方式といわれる(悪名高い?)方法によって電力システムを維持してきた。 これは何も電力会社...
電力自由化が始まってはや10年。 日本の電力システムは自由化を通じて、価格が下がったのか。 残念ながらNo.である。というか弊害のほうが目立っている。 自由化前は東京電力や関西電力が総括原価方式といわれる(悪名高い?)方法によって電力システムを維持してきた。 これは何も電力会社が甘い汁を吸うための方式ではなく、電力を維持するためには当然の帰結なのだ。 電力はよく「貯められない」と言われる。作った電気をそのままどこかで使わないといけないのだ。作る側は過剰であれば作る側が(周波数が高くなり)止まってしまうし、逆もまたしかりである。つまり、電力会社は、一瞬一瞬で使う側と作る側を全く同じに制御しているのだ。 信じられるだろうか?今、スマホを充電しようとすると、どこかの発電所がその分、出力を増やしてぴったり一致されるし、いまスマホの充電をやめたらすぐにどこかの発電所は出力を減らすのだ。 そんな一瞬一瞬の制御をどこでやっているのかというと、実は火力発電所なのだ。 タービンという回転エネルギーが実はそれをある程度吸収してくれる便利な機能を持つのである。 ちなみに太陽光や風力発電はこのタービンがない(風車はタービンだろ、と思うが、あれば実はパワコンで出力している)ので、この回転エネルギーでの調整機能(慣性力という)が全くない。なので、再エネがじゃぶじゃぶに入ってくると実は電力システムとしてはかなり危ない。 しかも、出力が一定ではないし、ほしい時に発電してくれないし。この意味ではポンコツ電源。 本書は、電力システムの課題について紹介しており、解決策についてはまったくダメ。何も言っていないのと同じ。国際的に足並みをそろえるとか。国がリードしろとか。 が、電力業界に携わる人としては教養として理解しておきたい内容が多いので、おすすめはできる。 あまり深くはないけれど。 ちなみに筆者は電力業界寄りの人間で、原子力についてもある程度賛成している論調である。
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