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貧しかったが、燃えていた 釜ヶ崎で生きる人々 昭和ブルース編 庄司丈太写真集
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貧しかったが、燃えていた 釜ヶ崎で生きる人々 昭和ブルース編 庄司丈太写真集

庄司丈太郎(写真家)

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貧しかったが、燃えていた 釜ヶ崎で生きる人々 昭和ブルース編 庄司丈太写真集

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 解放出版社
発売年月日 2022/11/08
JAN 9784759251395

貧しかったが、燃えていた 釜ヶ崎で生きる人々 昭和ブルース編

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2023/04/05

貧しかったが、燃えていた 釜ヶ崎で生きる人々 昭和ブルース編 著者:庄司丈太郎(「丈」は右上に`あり) ブックデザイン:鈴木一誌 発行:2022年11月15日 解放出版社 3月に発表になった第42回・土門拳賞は、「満州国の近代建築遺産」(船尾修、集広社)だったが、本書は最終候...

貧しかったが、燃えていた 釜ヶ崎で生きる人々 昭和ブルース編 著者:庄司丈太郎(「丈」は右上に`あり) ブックデザイン:鈴木一誌 発行:2022年11月15日 解放出版社 3月に発表になった第42回・土門拳賞は、「満州国の近代建築遺産」(船尾修、集広社)だったが、本書は最終候補に残った4冊のうちの一つ。しかも選考経過を読むと、実際は「満州国」とこの「釜ヶ崎」の一騎打ち状態だったようだ。内容は、大阪市西成区の釜ヶ崎を中心に、アンコ(日雇い労働者)の様子を撮影したもの。サブタイトルにあるように、「昭和」の時代に撮影されたものが中心と思われるが、1990年に起きた西成暴動の写真が少し入っているので、それは「平成」ということになるが、それらの写真には日付が入っているからコンパクトカメラで撮影されたものと思われ、著者が撮影したものではなのかもしれない。 1946年に鳥取家米子市生まれた著者は、1971年に「カメラ毎日」に釜ヶ崎で撮影した写真を発表して注目を浴びる。その後も、釜ヶ崎や沖縄に住んで写真を撮り続け、2019年には本書の第一作にあたる「貧しかったが、燃えていた~昭和の子供たち」(南々社)を出している。 この手の写真集、いわば〝底辺〟に住んでいる人々の様子を撮影したものは、なんといっても土地の人たちと心を通じ合わせることが不可欠であり、写真家は彼らの気持ちや行動を理解し、身方になる側のリベラルな人間であることが多いけれど、それがわざわいするのか、〝上から目線〟とまではいかないまでも、彼らと一緒に喜んだり怒ったりしながらも、どこかインテリで、いざとなったら助けてあげられる的な視点をも感じることが少なくない。ところが、本写真集はそれがない。著者がまったく同じ住民となり、下手をすると彼らよりもずっと地元民になり、〝底辺〟になって撮影していることが感じられる写真ばかり。希有、かつ不思議な作品。なにが違うのだろう。被写体以上に、撮影者が〝ドロドロ〟しているのである。 南海・萩之茶屋駅で撮影した「釜ヶ崎のホーチミンさん」(似ている、雰囲気ある)、萩之茶屋通りで撮影した「名車ジャガーと女の子(少女)」、西成労働福祉センター周辺で撮影した「北海道出身、釜ヶ崎サンタクロース」など、印象に残る人々がいっぱい。元代議士の妻、元警察官、元ヤクザ、「私のオッパイ撮って」と上半身裸でポーズするおばちゃん、三角公園で死んだばかりの人(死体)などもある。 ところで、写真集には文章も盛り込まれているが、最後に著者が日記形式で書いた、詩のような、メモ書きのような散文があるのである。そこに、こんなことが書かれているが、ほんまかいな?と思ってしまう。 *著者が写真学校に通っている時期の話 釜ヶ崎銀座通りの天麩羅屋の貼り紙に「高給支給、身元確か」と書いてあった。電話すると「×月×日×時に(大阪)市大病院で面接」。まず「死体は怖くないですか?」と尋ねられ・・・(中略)・・・「何一つ怖いものはありません」と答えたら採用され、司法解剖前の遺体をホルマリンプールに着けるバイトです。 初日から、私の全身の毛穴から悪臭が立ち込め、食事減退になり辛かったですが、慣れは怖いものなしでした。 (中略)バイトの先輩の言うことには、著名な大江健三郎短篇『死者の奢り』は自分がモデルだったらしい。 私は給料で新品のニコンFを買いました。私の体験談は別冊宝島228号『死体の本~死体洗いの高給アルバイトと都市伝説』作家長江朗氏が取材に来て詳しく書いています。 上記のように書かれている。僕も子供のころにホルマリンプール漬けのバイトの話は聞いたことがあるが、もちろんそれは都市伝説であり、実際にあったわけではない。その都市伝説が生まれた元ネタとして、大江の『死者の奢り』が一般には上げられているが、さらにそのネタ元がここにあった実話だったというわけである。まあ、書かれている日本語もおかしいし、よく分からない話ではあるが、こうした文章がますます著者の釜ヶ崎におけるドロドロ感を増幅し、写真集の魅力を増していくから不思議な本ではある。

Posted by ブクログ

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