ばくうどの悪夢

澤村伊智(著者)

• 販売会社／発売会社: KADOKAWA
• 発売年月日: 2022/11/02
• JAN: 9784041098783

商品レビュー

2024/11/10

序盤から最高にホラー。というかグロテスク。
悪夢なのか現実なのかの区別がつかなくなる表現でまるで物語中に入り込めたような気がした。
一気読みをしてしまうほど先が気になる展開でした。

2024/10/27

前半部分から、いきなり結構グロいです。
たぶん、嫌な人は嫌だと思う表現があります。なので、頭からガツンときました。
田舎特有の面倒な人間関係の話かと思ったら、そこはさらっと流され、すぐにホラー展開へ。
読んでいくと、あれ？夢オチ？それともまだ夢なのか？と少し混乱。
そして、これは誰の夢なんだ？となって、ますます混乱。
後半部分は謎解き要素があり、解決するのかどうなのかが気になりすぎて、早く片付いてほしい！と思って読み進めました。
最後はすっきりとはしなかったけど、なるほどと思う結末でした。

2024/10/10

怖さで言えば個人的にししりばの方が怖いけど、グロさは圧倒的にこちらの方がグロい。開幕早々になんてものを読ませるんだ。
現実でも妊婦さんに関わる事件ってあるけども、なんでこんなにグロいというかキツく感じるんだろうね。お腹にもう一人いるから？でもその子はまだこの世に産まれていない存在だから？小説やゲームでも妊婦さんや赤ちゃんが出てくるホラーってかなり怖く感じてしまう。

「僕」の名前が明かされないのがずっと不思議で、第一部の後半でとある人物がいきなりどうした？と思うような行動に出て違和感。そしてその人物を持ち上げる描写が一気に溢れ出てきてさらに違和感。この作者さんが描く所謂「嫌な奴」に注意を払っていたけども、あまりにも「いい奴」としての濃い描写が逆に不信感しか出てこない。
そもそも野崎がそんなことするわけないし、真琴が野崎を信じきらないわけがないので、ああこれ誰かの夢または妄想なんだなとわかるんだけどね…

第一部と第二部の登場人物の性格や社会的地位の差に片桐のコンプレックスが詰まってる。自分が尊敬される立場にいたい願望はまだわかるとして、軍団メンバーを自分が優位に立つために下に置いていたいという器の小ささが登場人物紹介でわかってしまうのがなんとも…田舎から都会に出た人や、元々都会育ちの人によくあるけど、田舎への解像度ってこんなもんだよなぁ。閉鎖的な部分は確かにあるけど、全ての田舎があなた達が思うような場所じゃないんだよな。
なんで片桐は野崎の誘いに乗ったんだろうと思ったけど、多分田舎から出ないで閉鎖された環境で燻ってる(だろうと勝手に決めつけた)幼馴染達を見て自尊心を満たしたかったからなんだろうな。電話で野崎が今地元にいると言っただけで失業したんだ！みたいな思考になるような奴だし。
妊婦や胎児を殺傷する理由は何一つないし、何より世間一般の犯罪者の「誰でもよかった」と同じで同情の余地はない。「誰でもよかった」というのは「自分に抵抗する力のない奴なら誰でもよかった」に加えて「幸せそうな奴が憎かった」ということなので…作中にもちょいちょい若い女に対する執念のようなものが垣間見えるので、そういうところもありそう。夢の中でギャルの由愛と青春ラブコメしそうなキモさがもうね…自己愛の高さやネットで齧った知識でマウント取ろうとするとか、こういう奴は現実にいるんだよな。この作者さんの嫌な奴の書き方は本当にリアル。

後半の夢だと思ったら現実だった、現実だと思ったら夢だった、のループは読んでてもういいよ…という疲れの意味でしんどかった。夢に関する能力を扱う作品ってここ数年で一気に増えたな。鬼滅やらツイステやら…
この作品でもそうだけど「どんなに辛くても現実に戻る」という理由に未だに納得できるものに出会えてない。みんな自分本位に生きてないからってところに落ち着くからまぁそうだよね…とはなるけども。