「縁側」知の生成にむけて 多文化関係学という場の潜在力

多文化関係学会(編者)

• 販売会社／発売会社: 明石書店
• 発売年月日: 2022/11/14
• JAN: 9784750354859

商品レビュー

2022/11/19

「縁側」とは内と外との間にあり、人々が立ち寄って腰掛け、とりとめのない話をする場。異なる学問分野がそれぞれの立場を尊重し、互いが関与する場があれば、学問的な知は創造的なものとなる。多文化関係に心を寄せる方の訪問を待つ、「縁側」としての書。

はじめに――「縁側」知の創出を目指して

第Ⅰ部　継承と発展に向けて――多文化関係学のこれまでとこれから

　多文化関係の「これまで」と「これから」
第1章　多文化関係学的アプローチの意義とその展開――20周年現在からの批判的考察と提言
第2章　多文化関係学研究の今後の発展に向けて――石井敏の啓蒙的提唱の批判的かつ実践的継承

第3章　多文化関係学会は何をどのように研究してきたのか――隣接分野の学会との比較検討

第Ⅱ部　横断的知を求めて――多文化シナジーの実現に向けての取り組み

　2010年代の多文化関係学的探求の成果と課題
第4章　関係性の談話分析――朝鮮半島発祥の芸能従事者のインタビュー場面の分析から
第5章　エスノグラフィック・アプローチを超えて――ブラジル移民短歌にみる日系文化の「見える化」とグローバル・ヒストリー
第6章　異文化滞在者の健康心理学的支援としての異文化間食育の提案
第7章　仲介者として緩くつながる地域日本語活動――「サードプレイス」における多文化協働

第Ⅲ部　未来へ拓く――多文化関係学の潜在力

　多文化関係学の新たな方向性を探る

第8章　多文化社会の対話的成り立ち――両義・多声的ラップのリリック内容分析を通して
第9章　人間・家畜・自然の関わり合いから生成される文化――アンデス高地で家畜とともに生きる人々から学ぶ
第10章　「裂け目」が喚起するもの――翻訳理論と戯曲『人類館』の事例から
第11章　文化神経科学の視座から見た文化と個人との関係
第12章　文化を知り 伝え むすび 超える身体――文化的枠組み生成と共創についての身体論的視座からの考察

終章　これからの多文化関係学――独自理論の構築に向けて