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おいしい京都学 料理屋文化の歴史地理
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | ミネルヴァ書房 |
発売年月日 | 2022/10/31 |
JAN | 9784623094608 |
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4
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「料理や文化の歴史地理」と副題がある通り、谷崎潤一郎などの作品に出て来たと言われ、朧げに覚えている気がする風景や、全く知らなかったことが書いてあり、面白い! 何より、八瀬遊園地なるモノがあり、平八茶屋が海川魚料理屋として,出てきて感慨深い。 もう一度小説を読み返したら、背景がよく...
「料理や文化の歴史地理」と副題がある通り、谷崎潤一郎などの作品に出て来たと言われ、朧げに覚えている気がする風景や、全く知らなかったことが書いてあり、面白い! 何より、八瀬遊園地なるモノがあり、平八茶屋が海川魚料理屋として,出てきて感慨深い。 もう一度小説を読み返したら、背景がよくわかるのかも。 以下、メモ書き。 いもぼう平野屋の長崎の海老芋と北海道の鱈や鰊 瓢亭 芋ぼう、鯖ずし、にしん蕎麦 松葉の身欠きニシンのにしん蕎麦 いづうのさば寿司 千枚漬、すぐき、鷺知らず 美濃荘のどじょう鍋 つたやの鮎 今はしゃぶしゃぶとお茶漬けの店の十二段屋 大市のすっぽん 席貸街「下木屋町」「上木屋町」 神田川(西石垣)は、明神下神田川 瓢亭、つる家、ちもと かね正のお茶漬鰻 〆の鰻 「ひる」とは、アヒルの略、合鴨 鶏の水炊きの新三浦、琵琶湖疏水に近い旧柳町は旧遊郭のはずれ 博多でポタージュのようなスープの博多水だき(濁る) コンソメ風スープの水たき(濁らない)発祥水月 鶏すきの木屋町の鳥弥三とりまま 錦市場の鳥岩の鳥岩楼 紅葉家の水たき 洋食のグリルたから船のビフカツサンド 今も営業している店 菊水館、東洋亭、ノーエン、一養軒 冨久屋、開陽亭、開晴亭、スター食堂 福屋、現、グリル富久屋 色町洋食の一養軒 吉田神社参道 座敷は入金式(茶席好みの離れの小間) 祇園料理とは、長崎に行った主人が卓袱料理をアレンジした 姜尚美「京都の中華」
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かつて開発された京都の八瀬。八瀬遊園地がかつてあり、その周りには有名な店が立ち並ぶ。開発のため京都電燈社が呼び込んだ名店たちである。本書は食のテーマパークとなっていた八瀬遊園地に集った料理屋とその料理を出発点として京都の食文化を概観する図書。八瀬遊園地に興味があり購入して読みだす...
かつて開発された京都の八瀬。八瀬遊園地がかつてあり、その周りには有名な店が立ち並ぶ。開発のため京都電燈社が呼び込んだ名店たちである。本書は食のテーマパークとなっていた八瀬遊園地に集った料理屋とその料理を出発点として京都の食文化を概観する図書。八瀬遊園地に興味があり購入して読みだす。九州のとり鍋、洋食などを京都の土地に合うように料理を改造?していく流れがあるよう。参考文献の雑誌『洛味』や『京都味覚散歩』も読んでみたい。
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近代京都の料理文化を語る書籍。京都と言えば千年の都として他所では真似できない伝統というイメージがある。これに対して、本書で紹介する京料理は東京など外部の影響を色濃く受けている。 本書で紹介する京料理は京都にしか存在しない料理ではない。どじょう鍋が紹介されるが、東京下町料理でもあ...
近代京都の料理文化を語る書籍。京都と言えば千年の都として他所では真似できない伝統というイメージがある。これに対して、本書で紹介する京料理は東京など外部の影響を色濃く受けている。 本書で紹介する京料理は京都にしか存在しない料理ではない。どじょう鍋が紹介されるが、東京下町料理でもある。北大路魯山人は、どじょう鍋を「うまくて、安くて、栄養価があって、親しみがあり」「貴族的ではない」と評した。高級ぶるものが美味しい訳ではない。値段と味は比例しない。 どじょうはウナギよりも安いのに栄養面では匹敵する。ドジョウはウナギと比べて骨ばった感じで、カルシウムが多いことに納得する。ドジョウはウナギと比べて一匹丸ごと食べることが多く、その点でも多様な栄養を摂取できる。養殖ウナギに比べると脂質が少なくヘルシーである。 鰻には江戸焼きと大阪流がある。江戸焼きは背を開いた鰻を焙る。腹を開くことは切腹を連想するために武士から忌避されて背を開いた。大阪流は腹を開いたウナギを直焼きにする。ところが京都では江戸焼きが多い。東京の鰻屋で修行をした人物が京都で開業したためである。 林田豊吉は明治時代に東京の新橋で鰻屋「梅の井」を営業していた。そこで修行した人物が京都に帰って鰻屋「ぎをん梅の井」を開業した(114頁)。京都と言えば東京と張り合う先入観を持っていたが、東京から学んでいる。全国の美味しい料理の店が集まることは都に相応しい。 本書は水炊きも紹介する。水炊きは博多由来の料理である。水炊きは林田平三郎が1905年(明治38年)に博多で水炊きの店「水月」を開業したことが初めである。一方で水炊きを有名にしたのは「新三浦」である。以下の文章を紹介する。「安くてハイカラで栄養もあるということで、(九州帝国大学の)学生から教授に至るまで連日押しかけて賑わった」(帯谷瑛之介『カラーブックス436 博多の味』保育社、1978年、127頁)。 ここでも値段と味は否定しない。著者は当時の「鶏肉は本当に安かったのだろうか」と疑問を呈する(150頁)。コスパが高いということだろう。牛丼チェーンと比べると立ち食いステーキは安くない。しかし、値段の割にガッチリ食べることができる。それが人気になる。 水月の水炊きはコンソメ風、新三浦の水炊きはポタージュ風のスープという特徴がある。コンソメ風の水月の水炊きは澄んでおり、「みずたき」と発音する。ポタージュ風の新三浦の水炊きは濁っているため、「みずだき」と発音する(164頁)。新三浦は京都にも店を出し、それが定着したため、京都は「みずだき」が優勢である。
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