Colori Colore Creare(1) ブレイドC

天野こずえ(著者)

• 販売会社／発売会社: マッグガーデン
• 発売年月日: 2022/11/10
• JAN: 9784800012623

商品レビュー

2022/12/12

天野こずえの新作「Colori Colore Creare」。

日常に追われ素敵を忘れてしまった大人に、立ち止まり再び気づくことの大切さを教えてくれた「ARIA」。
いずれ失ってしまうであろう時間と場所、それを失う怖さをほのかに感じながらも、踏み出した先には新しい素敵があるということを教えてくれた「あまんちゅ!」。
出会うもの全てが素敵にあふれていて、無限の可能性を提供する「Colori Colore Creare」。

といった区分けになるでしょうか。あえて3作を分けるとするのであれば。どの作品も、普段見落としてしまいがちな、かつては見落とさなかった素敵を思い出させてくれるのは共通していると思います。

「CCC」（長いので）1巻では、のれんにたまった雨が一気に流れ出す『雨のカーテン』が最高。
雨の中の運動会で、テントにたまった雨水をつついて溢れさせて遊んだ思い出が蘇ります。あれやると、先生に怒られるんだけどね。機材に水かかったら壊れるし、ある程度の量があると、なかなかの攻撃力を出しますから。
いや、溜まりすぎるとテントの方にダメージがあるので、排除はするべきなんですが、勝手にやるなということです。

あの滝のカーテンは、たぶんずっと見てられる光景だと思います。焚き火動画が人気な理由と同じです。

2022/11/30

作者の子育て体験が存分に活かされていそうな作品
また柔らかさと鮮やかさに満ちた世界観は天野こずえ先生ならではの空間が形成されているね
そして『ARIA』では重要なファクターとなった猫がこうも全面に出てくるとは。これだけで特別感を見出だせる構図ですよ

子供が少ないおのぼり町、だからこそ大切な子供をしっかり育てる為の役職、派遣保育士が整備されているというのは面白い話
本作で描かれるように幼い子供の行動は何処か突拍子もなくて、大人から見れば危うげで。だから遊べる範囲を限定したり、一緒に遊べる同年代を求めたりする
そういった点では、あかさんの成長を見守る役割の人間としてのどかが派遣されたというのは充分に納得できる話

でも、本作においてのどかはあかさんの活発な日々を制限する為の存在ではないという点は良いね
むしろあかさんの世界を広げる手助けをしている
それというのも「若葉之守人」をよく理解していなかったジーノがのどかの職業を「友達」と再定義したのも一つの背景になっているんだろうなぁ

そうして出会った同年代の友達、羽藍は本当に同年代？随分と目力が強いような…
おまけに意志の力も強くて危険を顧みず滝に触れようとするのは勇敢を通り越して無謀。だからこそ、あかさんと同じように羽藍を見守る者が求められると

一つ一つ、世界の楽しさを知っていくあかさんと羽藍、それを友達のように導くのどか
そんな三人の日々を見るもの全てが高揚感を誘うおのぼり町が更に楽しく彩っていくのかな？

ラストカットに登場したあの町。『ARIA』との関連がこれから描かれていくのかと期待してしまうが、果たして……