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道行きや 新潮文庫
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道行きや 新潮文庫

伊藤比呂美(著者)

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道行きや 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2022/10/27
JAN 9784101312224

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2022/12/26

単独著は初めて読んだ。このひとの著書は訳書・日本霊異記のように、平気でエロを語るけどまるで神話を聴かされるように思える、ということで好きだった。自ら発達障害と言い、話があちこちに飛ぶ「語り」がとっても心地よいのは、私の中にその要素が多分にあるからかも知れない。 どんな本か、説明...

単独著は初めて読んだ。このひとの著書は訳書・日本霊異記のように、平気でエロを語るけどまるで神話を聴かされるように思える、ということで好きだった。自ら発達障害と言い、話があちこちに飛ぶ「語り」がとっても心地よいのは、私の中にその要素が多分にあるからかも知れない。 どんな本か、説明するのは難しい。近年ない編集者による名文〈本の説明〉をコピペする。 カリフォルニアで夫を看取り、二十数年ぶりに日本へ愛犬と帰国。“老婆の浦島”は、週の四日は熊本で犬と河原を歩き、植物を愛でる。残りは早稲田大学で、魚類の卵のように大勢の若者と対話する。移動の日々で財布を忘れ、メガネをなくし、鍵をなくし、犬もなくしかけた……思えば家族を、あらゆるものを失って、ここに辿り着いたのだった。過ぎ去りし日を嚙みしめ、果てなき漂泊人生を綴る。 あゝダメだ。コピペしてわかるのは、伊藤比呂美を知らない人に「読んでみようかな」という気にさせることはできない。魅力が伝わらない。「ともかく読め」という書き方は嫌いだ。そもそも、幾つか彼女と共通項があるから私に刺さるものがあるのであって、他の読者に刺さると思う時点で自らの傲慢さを告白するようなものだからだ。そうではなくて、共感しながら読むからこそわかる普遍性を、それはきっとあるに違いないと思うのだけど、どう書いていいのかわからない。こういう泣き言を書けば、同情して読んでくれると計算している自分も嫌だ。このエッセイの何処が凄いのだろう。 エッセイなので、小説ではない。けれども読んでいくと、彼女の半生を想像できる文章になっている。よくわからないけど、よくわかる。まるで既知の人に話すが如く、前夫や死別した夫や子どものことや友達の様々なヨーコさんが登場してきて、始まりのない日常が語られ、そしてオチのない物語がたった数行で終わる。これはほとんど「枕草子」の書き方じゃないか。あゝ自然てそういうモンだ。人間てそういうところがある。国はホント困ったもんだ。そんなことを思うのである。 解説のブレディみかこの『この「道行き」の相手は誰なのか』は素晴らしい解説なのではあるが、この約4000字以上を費やす分量だからこそ、展開できる内容なのであった。とりあえず解説から読め!とは言わない。それよりも、立ち読みで第一章を読んで、買うかどうか決めた方が、個人的経験からいえばよっぽど確かだと思う。

Posted by ブクログ

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