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天路の旅人
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天路の旅人

沢木耕太郎(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2022/10/27
JAN 9784103275237

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商品レビュー

4.4

117件のお客様レビュー

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2024/11/11

読了した。長かったような気もするが、短かった気もする。分量は肉厚で読み応えがある。以前河口慧海のチベット紀行を読んだ。今回も装備は今ひとつだが、強靭な体力と精神力の持ち主が何度もヒマラヤを超える。終戦間際から終戦後にかけて。驚くべき体力と精神力だ。国の為に役立ちたい気持ちを持って...

読了した。長かったような気もするが、短かった気もする。分量は肉厚で読み応えがある。以前河口慧海のチベット紀行を読んだ。今回も装備は今ひとつだが、強靭な体力と精神力の持ち主が何度もヒマラヤを超える。終戦間際から終戦後にかけて。驚くべき体力と精神力だ。国の為に役立ちたい気持ちを持って語学の習得にも積極的に取り組む。若いエネルギーはすごい。木村にちくられて日本に帰って来たのは残念だけど。幸せな人生を送ったのかな。あまり自分から色々語るような人ではなかったのだろう。後半生の静かな人生も前半の反動なのだろうか。もっと色々な旅をさせてあげたいと思いような人だった。

Posted by ブクログ

2024/10/22

前回の読書会で借りてきた、その2。 戦中から戦後にかけて、中国大陸の奥深くまで密偵として潜入していた日本人、西川一三についてのノンフィクション。 西川が山口県出身だということと、有名だけど読んだことなかった沢木耕太郎の名前に惹かれて、550頁超の大作ではあるが借りてみた。 ...

前回の読書会で借りてきた、その2。 戦中から戦後にかけて、中国大陸の奥深くまで密偵として潜入していた日本人、西川一三についてのノンフィクション。 西川が山口県出身だということと、有名だけど読んだことなかった沢木耕太郎の名前に惹かれて、550頁超の大作ではあるが借りてみた。 序章は四半世紀前、西川の存在に興味を持った沢木が取材のため盛岡まで会いにいくところから始まる。 戦争末期の混乱の中、蒙古人と偽ってアジア大陸の中国からインドまでを旅してきた人物が、その旅について長編を一編書き記したものの、その後はひっそりと東北の地方都市で暮らしている。 沢木は西川の旅そのものにもだが、帰国してからの彼の人生についても興味を持ったと綴っている。 第2章以降は、西川がどうやって密偵となり、どうやってインドまでの旅を始めたか、日本人であることを隠し蒙古人として中国の奥深くまで歩いて移動するその旅の行程、人との出会い、自然の厳しさ、美しさなどが、さすがの流麗でともすれば匂いや温度まで体感できそうな読みやすい文章で綴られていく。 地理がわからなくて、本の表表紙を何度も確認しながら読むのは結構大変だったが、明確で情緒のある文章を読むのはめちゃくちゃ面白かった。 また、中国奥地からチベットまでの行程にある匪賊に対する危機感と、ヒマラヤを越えてインドに入ってからの旅で登場する鉄道の存在などの違いから、当時の未だ帝国主義の手が伸びきっていないチベットと、既にイギリス統治下であるインドの状況が少しわかった気がする。 ちょうどCOTEN RADIOでムガール帝国をやっている最中でもあり、インドに入ってからは、時系列的にマハトマガンジー暗殺のトピックがあったり、パキスタンとのきな臭い状況に巻き込まれるエピソードなども、とても興味深かった。 さて、西川の旅はとある出来事で突然終了する。その後はひっそりと東北で暮らすようになり、冒頭の沢木との出会い、そして人生の終幕へと繋がる。 彼とは対照的に語られるもう一人の密偵について、その生涯と比べてみることで、それぞれの人生の味わい深さがより浮き上がって見えてくる。 また、西川だけでなく、西川の妻の話、娘の話も合わせて読んでいくうちに、 沢木が旅の話だけでなく、西川一三という1人の人間の人生について書き残しておきたいと思った理由がよくわかった。 いやー…、 めちゃくちゃ引っ張られる。 人生について、幸せについて、 いろいろと思う一方で、 新しい言語を習得したいな、とかも安易に考えてしまったな。 とにかく抜群に面白く、私にとってめちゃくちゃ示唆に富んだ良い本だった。

Posted by ブクログ

2024/10/08

第二次世界大戦末期に日本の密偵として、満州から内蒙古、新彊、チベット、インドの奥深くまで8年にわたる潜伏生活を続けた西川一三の日々を記録したもの。 内蒙古人のラマ僧となりすましラマ教寺院での生活にとどまらず、托鉢や野宿を続けながらゴビ砂漠やヒマラヤの高地、インドのジャングルなど...

第二次世界大戦末期に日本の密偵として、満州から内蒙古、新彊、チベット、インドの奥深くまで8年にわたる潜伏生活を続けた西川一三の日々を記録したもの。 内蒙古人のラマ僧となりすましラマ教寺院での生活にとどまらず、托鉢や野宿を続けながらゴビ砂漠やヒマラヤの高地、インドのジャングルなどを延々と旅する生活は想像もつかない過酷で気の遠くなるような日々を生き抜いた根性は筆舌に尽くしがたい。 ただ今一つ乗り切れないのは、そこまで過酷な旅を続けた目的や使命がもう一つはっきり理解できないことと、托鉢僧の生き方が理解できないことや、 托鉢で得た食料や物品を金銭に変えて生活資金に変えようとすることに違和感を覚える。 戦時における使命感とともに彼本来が持つ西域への憧れや放浪生活への感覚が常人とは少し温度差があるからかもしれない。

Posted by ブクログ

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