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みるみるわかる「西洋絵画の見方」
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2022/10/25 |
JAN | 9784096822937 |
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みるみるわかる「西洋絵画の見方」
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商品レビュー
3.6
6件のお客様レビュー
新進気鋭の美術史研究者である壺屋めりさんによる、ルネサンス・バロック期絵画の見方「中級編」の書。入門書に比べて踏み込んだ内容が書かれており、読み応えがあった。図書館で借りて読んだが、手元に置いておきたい一冊。 本書では、15〜17世紀のルネサンス・バロック期に生じた西洋絵画を取...
新進気鋭の美術史研究者である壺屋めりさんによる、ルネサンス・バロック期絵画の見方「中級編」の書。入門書に比べて踏み込んだ内容が書かれており、読み応えがあった。図書館で借りて読んだが、手元に置いておきたい一冊。 本書では、15〜17世紀のルネサンス・バロック期に生じた西洋絵画を取り巻く環境や受容のあり方の変化について、注文主が絵画を注文し、画家が制作し、できあがった作品が注文主の意図に沿って使用される第1フェーズ「注文する」「制作する」と、その作品が歴史化され、注文主やその意図と関係ないところで美術作品として鑑賞される第2フェーズ「体系化する」「鑑賞する」に分けて解説する。 美術展で並んだ絵を鑑賞する際に、この絵は誰がどこに置いてどういう意図で使うために発注したんだろう?と考えたことはなかったが、当時の絵画は画家が着想に任せて自由に描いたものではなく、注文主の要望に応えて描くオーダーメイドだったため、その視点は忘れないようにしたい。 また、当時の絵画は額縁に入れて飾るものでは必ずしもなく、教会や公的施設の壁に描かれたり、邸宅の祭壇や、長持ち、ベッドのヘッドボードなどの家具に施されたものも多くあり、後にバラバラにされて美術館に収蔵されたりもしているため、不自然な形や構図の絵画が見受けられるのだそうだ。 神々の裸体は許されたと言えど、置かれる場所に相応しい適正な表現かどうかは問われるため、聖堂内に筋骨隆々の裸体をこれでもかと描いたミケランジェロが批判された話や、詩vs絵画、古代vs近代、絵画vs彫刻、素描vs彩色など、どちらがより優れているか競う「パラゴーネ」と呼ばれる芸術比較論争が盛んに行われた話などは面白い。「素描vs彩色」論争は、「フィレンツェvsヴェネツィア」の様相を呈し、最後には「ミケランジェロvsティツィアーノ」の論争へと発展したという。 風景画や静物画についても、当時は見たものをそのまま写実的に描くことは一般的でなく、画家による再構成が意図的に行われていた、という指摘も興味深い。さまざまな自然物を模倣して、それらの良い部分を組み合わせて理想の姿すなわち「イデア」を描き出すべきだという考え方だ。 また風俗画についても鑑賞者に合わせた脚色が行われており、ブリューゲルやその追随者による農民画では、田舎に住む貧しい農民たちを戯画的に描くことで、都会の美術愛好家たちに自分たちの「洗練された」行動様式や社会的地位への満足をもたらしていた、というのは少しばかりショッキングだった。 そこまで文字数の多い本ではないが、情報量が多く、明日から使える美術ウンチクがたくさん増えたので、大変満足している。
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美術館に絵を見にいく場合、絵だけが美術館に収納されている。当たり前のことですが、ルネサンス以前の絵画は注文を受けて指定された場所に注文主の求めるように絵を仕上げていた訳で、場所も含めてデザインされて製作されていた。例えばダヴィンチの最後の晩餐やミケランジェロの最後の審判のような。...
美術館に絵を見にいく場合、絵だけが美術館に収納されている。当たり前のことですが、ルネサンス以前の絵画は注文を受けて指定された場所に注文主の求めるように絵を仕上げていた訳で、場所も含めてデザインされて製作されていた。例えばダヴィンチの最後の晩餐やミケランジェロの最後の審判のような。 妙に細長い絵を見て、バランスよくないなと思ったことありましたが、切り離されてバラバラに売り払われた結果だったとは。 作り手が最善を尽くした状態を見ている訳ではないのだからそう思うのも致し方なかったのか。 残念に思う反面、現地に行かなくても見られることも好機なのか。難しいところです。
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ルネサンスとバロック期の西洋美術の解説書ですね。 ある程度の予備知識がある人向けだと思います。 著者の壷屋めりさん(1988ー)美術史研究家、博士号も取得されています。東京大学経済学研究科特認研究員、も、この本は「西洋絵画;中級編」を目指しているとされています。『入門書よりも少し...
ルネサンスとバロック期の西洋美術の解説書ですね。 ある程度の予備知識がある人向けだと思います。 著者の壷屋めりさん(1988ー)美術史研究家、博士号も取得されています。東京大学経済学研究科特認研究員、も、この本は「西洋絵画;中級編」を目指しているとされています。『入門書よりも少し踏み込んだ美術鑑賞の手引書』との事です。 私は美術史を一通り読んだ事があるので、私的にはかなり楽しめました。確かに、入門書とかなり踏み込んだ解説書は多いですが、この本の内容に書面を割いた本はあまり見掛けませんね。 全ページオールカラーで、読みやすい書面割になっています。図版、図面、イラストもかなり考えられています。文章も堅くなく、語りかける親しみやすい、手慣れた文章です。 作品の成り立ちから、制作の要点、絵画の歴史と評価、作品の観賞法と流れで読み進めるので、後から読み返しが楽でした。 中級編を本の題名に明記された方が佳かったかな。 面白く読めました。
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