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ゴシックハート ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2022/10/13 |
JAN | 9784480438454 |
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4.5
6件のお客様レビュー
著者は言う、これからゴシックな意識を語ろうと。それではゴシックな意識とは何か?それは「形」に依存して示される精神であって、初めから抽象的に語ることはできないと言う。具体的には、次のようなものだ。かなり長くなるが、イメージが良く掴めるので引用したい。 「色ならば黒。時間なら夜...
著者は言う、これからゴシックな意識を語ろうと。それではゴシックな意識とは何か?それは「形」に依存して示される精神であって、初めから抽象的に語ることはできないと言う。具体的には、次のようなものだ。かなり長くなるが、イメージが良く掴めるので引用したい。 「色ならば黒。時間なら夜か夕暮れ。場所は文字どおりゴシック建築の中か、それに準ずるような荒涼感と薄暗さを持つ廃墟や古い建築物のあるところ。現代より過去。ヨーロッパの中世。古めかしい装い。温かみより冷たさ。怪物・異形・異端・悪・苦痛・死の表現。損なわれたものや損なわれた身体。身体の改変・変容。物語として描かれる場合には暴力と惨劇。怪奇と恐怖。猟奇的なもの。頽廃的なもの。あるいは一転して無垢なものへの憧憬。その表現としての人形。少女趣味。様式美の尊重。両性具有、天使、悪魔など、西洋由来の神秘的イメージ。驚異。崇高さへの傾倒。終末観。装飾的・儀式的・呪術的なしぐさや振る舞い。夢と幻想への耽溺。別世界の夢想。アンチ・キリスト。アンチ・ヒューマン。」(12‐13頁) このようなゴシック的なものがどのように表われているか、以下、文学・絵画・写真・映画・漫画などの具体的な作品を通して説明されていく。作品の内容が詳しく紹介された上で論じられるので、たとえ読んでいない、見ていない作品であっても、興味を持って読み進めることができる。 本書エピローグでは、ゴシックの意識を持った「その人」と呼ぶある女性の思い出が語られる。『八本脚の蝶』を残した二階堂奥歯さん、いろいろな人の記憶に残る方だったのだなあ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ゴシックには惹かれるけれど、うまく言い表せずにぼんやりと認識していた好きなものについて、そのすべてを言語化してくれる本だった。 紹介されている作品について、知っているもののほうが少なかった。本当にぼんやりとした認識しかなかったのだと改めて思ったのと同時に、そういった知識が少ないのにも関わらずゴシックハートがここにあるという不思議を思った。 歴史を含め流れをすべて把握するのは難しいかもしれないけれど、文学・芸術方面で沢山の作品を知れたのは良かった。 エピローグで、相反する心を持ち葛藤していた女性の話を読んで、二階堂奥歯さんじゃないかと思ったらやはりそうだった。こういう交流があったのですね。
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立東舎文庫版も持ってるのに、ちくま文庫版も買ってしまった。凄く好きな本。あらゆるテーマから「ゴシック」について語られている。改めて自分の中にも「ゴシックハート」はあるな…と再確認。
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