あらゆる薔薇のために

潮谷験(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2022/09/29
• JAN: 9784065292693

商品レビュー

2025/01/11

先が気になって、どんどん読み進められる作品でした。主人公が警察で、冷静に事件を捜査しながら進んでいくのも良かったです。
犯人の動機は、イマイチ理解できませんでした。これを言っちゃうとおしまいですが、他に方法あったのでは…？けれど総合的には面白かったです。

別作品の登場人物について語っているような描写があって気になりました。著者の他の本も読んでみたいと思います。

2024/12/28

架空の病「オスロ昏睡病」が存在する世界での特殊設定ミステリ。
オスロ昏睡病から治癒した者は身体の何処かに薔薇の形をした腫瘍ができるという、ちょっとメルヘンな感じもしますがミステリなので殺人事件は起きます。
犯人の特定は特殊設定ながらロジック重視。
余韻を感じさせるエピローグも良し！

2024/11/16

"どうしようもなかったのだと理解して救われる。そういう話だってあるんだよ" 愛と記憶のミステリーなんていう帯に惹かれて。表紙も本当に綺麗… 謎に充ちた夢と過去に翻弄される世界に、薔薇の咲いていない私も惹き込まれる。記憶の曖昧で不確かさに満ちている中、お風呂上がりのハーゲンダッツの美味しさは自分だけのものだからと言う阿城と終わり方がとても好きです。自分が歩み作り上げてきた幸せと悲しみは自分だけのもの。"〜その希少性が愛情という言葉に宝石の価値を与える"(P227)八嶋の考える愛に分かるかもとなった。