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ぼくはソ連生まれ 群像社ライブラリー
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 群像社 |
発売年月日 | 2022/08/17 |
JAN | 9784910100258 |
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ぼくはソ連生まれ
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
ソ連に生まれて生きていた人の多くは、彼の気持ちがわかるのではないだろうか。アレクシェービチの『亜鉛の少年たち』『セカンドハンドの時代』『戦争は女の顔をしていない』などの本と共に読むと、物事は一面だけをみては理解できないことがあると、また改めて思う。
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図書館の新刊コーナーで見つけた本。 著者のヴェシレ・エルヌ氏は1971年、ソ連はモルドバ共和国に生まれ育つ。ルーマニアのアレクサンドル・ヨアン・クザ大学哲学科部卒業。1997年、ルーマニアのルバネシュ・ボヤイ大学修士課程(哲学専攻)修了。雑誌編集者や出版社勤務等を経て、この本で作...
図書館の新刊コーナーで見つけた本。 著者のヴェシレ・エルヌ氏は1971年、ソ連はモルドバ共和国に生まれ育つ。ルーマニアのアレクサンドル・ヨアン・クザ大学哲学科部卒業。1997年、ルーマニアのルバネシュ・ボヤイ大学修士課程(哲学専攻)修了。雑誌編集者や出版社勤務等を経て、この本で作家デビュー。その後も小説やエッセイを発表。ルーマニアの全国紙やニュースサイト、文芸雑誌のコラムニストとしても活躍。 と、こういう経歴の人が、自身のソ連時代の断片を綴った。20才の時にソ連が崩壊したわけだ。70年代の子供時代にはソ連版ボーイスカウトみたいな団体生活に参加。たぶんほとんどの子どもが参加している模様。ソ連版アニメに楽しんだ、それなりに楽しい子供時代。ルーマニアと接するソ連の西のはじっこのモルドバ育ちながら、ソ連国民だという意識は子供のころから教育によって植えつけられていて、レーニンの教えはソ連の隅々まで行き渡っていたのだな、と感じた。その教えは消えることが無いように感じた。 80年代は政界大物の葬儀ラッシュ。学校が1日休みになる。ブレジネフ、アンドロポフ、チェルネンコ、コスイギン・・ そして85年、14才の時にゴルバチョフが登場。すべてがダイナミックで予期せぬ転換だった。ゆっくりしたリズムに慣れていた生活が日ごとに変化しはじめた、とある。 訳者によれば、ルーマニアで最初に出版された時、共産主義時代の負の側面を取り上げずにソ連時代をなつかしんでいる、として批判にさらされたとある。が、「ルーマニア文学」新人賞を受賞。ルーマニア人にとって共産主義体制はソ連から半強制的になされたもの、と捉えられていると訳者氏。 構成は断片的で皮肉とユーモアに富んでいて、しかもそれを理解できないので、匂ってくる感覚からは、ソ連体制下の子ども時代はそれなりに楽しかった、という印象。著者のソ連時代は20才までの子供時代なのだ。 だが著者は、ソビエト政権が崩壊してから、ずっと共産主義と自分とのかかわりが頭から離れない。そしてもし、共産主義政権が続いていたら自分はどうなっていたか?と考えるが、答えはない、と書いている。 大学は隣国のルーマニアに進み、そのままモルドバに戻らずルーマニアにいる、という選択をした。これはどういう決断だったのか。 書かれた2006年時点で著者は35歳。ソ連崩壊からは15年。現在は51歳になっている。現在の心境を聞いてみたいものだ。訳者によれば著者は今回のウクライナ侵攻に関しては「同じ学校のベンチで夢を語り合い世界平和を唱えていた夢を、まさか忘れてしまったのだろうか」と言及しつつ、断固として戦争に反対するメッセージを発しているとある。 2006年発表 2022.8.14初版第1刷 図書館
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