きらめきを落としても

鯨井あめ(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2022/07/27
• JAN: 9784065282830

商品レビュー

2025/02/01

「燃」
「言わなかったこと」
の2作品がたまらない。

僕には火がつかない。と言っていた静原が、いままで感じたことのない熱が、僕の芯を掴んでいる。まだ心臓がどくどくと鳴っていた。火は一気につくとは限らないのだ。

『言えなかったこと』をテーマにして短編を書きましょう。そう言ったアルが書くことを辞めた。筆を折った。そこから言えなかったこと、いや、言わなかったのだ。言わないことを選択した。ここからまた白紙から始まるのが良い。

2024/07/16

面白い。

焼き鳥屋さんで呑みながら読んでいた為、所々よく分からないまま読み進めてしまったがそれでも満足感を得て読了。
最初の「ブラックコーヒーを好きになるまで」は、主人公の心の移り変わりが今ひとつ説得力に欠けてるような(というより急旋回すぎな？）気がするものの、周りの登場人物が好きだと思い楽しく読めた。
「言わなかったこと」のアルの名前にピンときたのは酔っぱらいにしてはよくやったと自画自賛している。
猫のクロダさんに振り回される話もバイオリンを捨てた話も良かった。
切ないのは「主人公ではない」。
最後、タイトルに立ち返り改めて、あぁそうかと。私はタイトル含めてこれが一番好きかな。

「言わなかったこと」は半分実話だろうかと感じながら読みました。なんとなく。

2023/12/11

短編集。大好きな猫が表紙に描かれていたので手に取ってみた。
20代の学生さん色々な人、それぞれの悩み、打ち勝つことの出来るヒントを得た作品集。SF作品もありパラエティー。
どのストーリーも恋の一歩前進的な初々しさあり。これから何か展開するのかと想像されるところで完結される短編集。
内容的に、私のような中年向きではないかも。

個人的には、『上映がはじまる』が良かった。
他、猫の表紙が気になるきっかけからなる
『ボーイ　ミーツ　ガール　アゲイン』も猫様登場していい役割していた。