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憲法 岩波文庫白35
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2022/06/17 |
| JAN | 9784003403518 |

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商品レビュー
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天皇機関説で有名な美濃部達吉の門下で戦後の憲法学を牽引した著者が一般向けに全103条に渡る日本国憲法を詳細に紐解き、その理念を交え丁寧に紹介した必読の書。 各章ごとの註釈には著者の豊富な知見が反映されていて、その条文の理解を深めてくれる。 附録には日本国憲法全文はもちろん、ポツダ...
天皇機関説で有名な美濃部達吉の門下で戦後の憲法学を牽引した著者が一般向けに全103条に渡る日本国憲法を詳細に紐解き、その理念を交え丁寧に紹介した必読の書。 各章ごとの註釈には著者の豊富な知見が反映されていて、その条文の理解を深めてくれる。 附録には日本国憲法全文はもちろん、ポツダム宣言も掲載されている。 巻末には憲法学者の石川健治氏による解説がこの本の意義を高めてくれる。 戦後を振り返る夏が来るたびに読み返したい。
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石川健治氏の解説によって新たな生命を吹き込まれた戦後憲法学の古典。解説では著者鵜飼信成の歴史的な目的意識に導かれた解釈態度に分け入り、現在の学説に与えた影響と意義を明らかにしている。「歴史的解釈」とも「目的論的解釈」とも言うべき鵜飼の解釈態度は、美濃部達吉に遡る東大法学部の伝統で...
石川健治氏の解説によって新たな生命を吹き込まれた戦後憲法学の古典。解説では著者鵜飼信成の歴史的な目的意識に導かれた解釈態度に分け入り、現在の学説に与えた影響と意義を明らかにしている。「歴史的解釈」とも「目的論的解釈」とも言うべき鵜飼の解釈態度は、美濃部達吉に遡る東大法学部の伝統であり、解説で主に批判の対象とされる芦部信喜や宮沢俊義にも広い意味では共有されていた。鵜飼の独自性は、立法者意思の考慮や政策目的をふまえた利益考量にとどまらず、また図式的な発展段階論にも還元され得ない「歴史の論理」を法解釈を通じて現実化しようとする点にある。 とりわけ石川氏の筆が冴えるのは、「公共の福祉」の位置付けや「人権の私人間効力」をめぐって、通説となった芦部説に対して鵜飼の先駆性を強調するくだりだ。前者について、鵜飼が公共の福祉による人権制約を原則として禁じた上で、例外的に経済的自由権に限ってこれを認めるのに対し、芦部説はその区別を取り払って人権制約への歯止めを曖昧にするものとして批判される。また後者に関しては、現在の日本の学説にも影響を及ぼすドイツの基本権保護義務論の先がけとなる論理を鵜飼の議論に見出し、人権擁護のために国家が第三者的に私的自治に介入する道筋をつけるものとして高く評価する。ここでも人権をあくまで対国家の関係で捉えるにとどまり、私的自治への介入に消極的な芦部説が批判されている。 本書解説に限らず(例えば薬事法違憲判決解釈など)、戦後憲法学のメインストリームにあった芦部への石川氏の評価は総じて辛く、リベラル派の研究者が集結する社研(東大社会科学研究所)に籍を置いた鵜飼への評価は高い。東大教授でありながらアウトサイダー的な石川氏の一面が表れてもいるが、より大きな歴史的パースペクティブで見ても、精神的自由についての二重の基準論、公務員の政治活動に対する「明白かつ現在の危険」の判断基準、そして社会権からさらに踏み込んで国家の基本権保護義務を前提とした人権保障に至るまで、まさに戦後憲法学がたどった歴史が、それ自身を乗り越える射程とともにこの一冊に先取りして凝縮されているのを見抜く眼力はさすがである。
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本書元版は、1956年に岩波全書として刊行された。新憲法が施行されてさほど経っておらず、他方で改正論議が出てきていた時期であるが、国民の憲法に関する正しい理解が確立されることを期待して本書を著したとのこと。 最高法規としての憲法の位置付け、憲法の基本原理や主要な条項について...
本書元版は、1956年に岩波全書として刊行された。新憲法が施行されてさほど経っておらず、他方で改正論議が出てきていた時期であるが、国民の憲法に関する正しい理解が確立されることを期待して本書を著したとのこと。 最高法規としての憲法の位置付け、憲法の基本原理や主要な条項について、その沿革や主旨を短い文章の中で簡潔に説き明かしており、初学者が憲法を理解するに適した本ではないかと思う。 本書自体は今となっては古い本になってしまっているが、これは解説でも言及されているとおり、本書には多くの「註」があって、そこでは著者の解釈、考え方がかなりストレートに記述されていて、熟読すると大いに参考になると思われる。 著者の弟子である石川健治氏の100頁近い解説が付されており、著者の学問的経歴(京城帝大、アメリカ留学等)、主要論文の意義、学風、本書の主な特長など、非常に読み応えがあった。
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