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円安が日本を滅ぼす 米韓台に学ぶ日本再生の道
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2022/05/23 |
JAN | 9784120055386 |
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円安が日本を滅ぼす
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野口悠紀雄「円安が日本を滅ぼす」 日本の停滞30年の本質・原因を探る→処方の実行は次の世代に託す 1.円安は麻薬 輸出企業へ不労所得・利益 怠惰にする 2.巨大工場は戦艦大和 プラズマテレビ・液晶テレビ 大鑑巨砲主義イデオロギー 3.台湾・韓国に学べ 中国製造大国化への適応 日本...
野口悠紀雄「円安が日本を滅ぼす」 日本の停滞30年の本質・原因を探る→処方の実行は次の世代に託す 1.円安は麻薬 輸出企業へ不労所得・利益 怠惰にする 2.巨大工場は戦艦大和 プラズマテレビ・液晶テレビ 大鑑巨砲主義イデオロギー 3.台湾・韓国に学べ 中国製造大国化への適応 日本は低価格戦略 4.GDP=労働人口+資本+技術・イノベーション 先行投資が大事 5.大学の改革を「農学部偏重 予算・教員7% 就業者・生産1%以下」 いよいよ江戸幕府の最後に似てきた日本
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日本は、先進国の位置から滑り落ちる寸前まで、経済が衰退してしまった。その原因はなんだったのか、今、必要な対策は何かについて、米、韓、台湾との比較や円安政策の過ちといった観点から解説する本。 以下に要旨を箇条書きする。 ①最近では一人当たりGDPは韓国、台湾とも日本とほぼ同レベル。...
日本は、先進国の位置から滑り落ちる寸前まで、経済が衰退してしまった。その原因はなんだったのか、今、必要な対策は何かについて、米、韓、台湾との比較や円安政策の過ちといった観点から解説する本。 以下に要旨を箇条書きする。 ①最近では一人当たりGDPは韓国、台湾とも日本とほぼ同レベル。このままいくと、いずれ日本を追い越す ②日本は2000年以降、顕著な円安政策をとり、輸出は増えたが、輸入も増え、貿易収支は悪化、賃金も上昇しなかった。 ③一方、韓国、台湾は通貨価値を維持、貿易黒字が増え、GDPが増え、賃金も上がった。 ④中国の工業化に対し安易な手段で利益回復を図り技術革新を怠った日本企業に比して、韓国はサムスン、台湾はTSMCといった最先端半導体に代表されるように技術革新の努力で輸出競争力が向上し、実質賃金も上昇した。 ⑤アメリカでは製造業の比率が低下して情報処理産業の比率が上昇し、賃金が上がったが、日本で相変わらず自動車が大きなウェイトを占め、産業構造は変わらない。 ⑥日本は物価も安いが、賃金の低さから介護人材など国際的な人材確保の面で問題が生じる。 ⑦アメリカ企業は半導体の設計を行い、工場を持たないファブレス企業。半導体の製造はTSMCなどに任せ、それを中国でスマホやパソコンに組み立て欧米市場に輸出する国際的水平分業体制が確立されている。対する日本は自動車に代表される垂直統合型。 ⑧国が4000億円補助して熊本に誘致するTSMCの工場で製造する半導体は最先端ではなく、「レガシー」と呼ばれる22~28nmプロセス。アメリカが誘致するのは5nmの最先端。 ⑨日本の半導体産業は補助金漬けになって衰退が加速化。 ⑩政府の補助は、従来型の企業の生き残りを助けても、新しい産業や企業の誕生を阻害してきた。その典型が農業。 ⑪政府の役割は成長を妨げる既得権益を見直す方向で規制緩和や規制撤廃を行うこと。 ⑫自動車産業は日本の最重要産業だが、EVになると、これまでの強みだった「擦り合わせ」が重要でなくなる。テスラは自動車のハードとソフトの切り離しに成功し、「購入後にインターネット経由でアップグレードできる」といった新しいビジネスモデルを確立した。 ⑬経済安全保障を実現するためには、農業補助金のような保護行政ではなく、供給源分散化に目を向けるべき。供給源として生き残るために技術力が必要。 ⑭かつて、尖閣諸島で中国人船長を海上保安庁が逮捕した際、中国からレアアース輸出規制を受けた。しかし、日本は都市鉱山からの回収やリサイクルにより切り抜け、さらにより少ないレアアースで性能のよい製品を開発し、勝利した。このような技術力が経済安全保障で最も重要。
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まさに日本は円安傾向が激化。諸外国のインフレ抑制策としての金融引き締め策となる金利上昇に対し、日本がグズグズしている所為で、どんどん円が流れていく。理屈は分かるが、円安ってそんなに悪い事だっただろうか。輸入コストは上がるが、輸出額は上がる。海外生産が日本生産に回帰するという意味で...
まさに日本は円安傾向が激化。諸外国のインフレ抑制策としての金融引き締め策となる金利上昇に対し、日本がグズグズしている所為で、どんどん円が流れていく。理屈は分かるが、円安ってそんなに悪い事だっただろうか。輸入コストは上がるが、輸出額は上がる。海外生産が日本生産に回帰するという意味でも良いイメージもあり、積極的に円安政策を取っていた気もする。しかし、足下は全く良い兆候には無い。勉強したいと思った。 結果、無茶苦茶勉強になったし、面白い。野口悠紀雄の著書を他にも読み漁ろうと思った程だ。メモも沢山取った。韓国と台湾との比較という分かりやすい構図も良かった。 例えば、インフレの話。物価上昇率が低いと年金のマクロ経済スライドを実行できないが、インフレ率が一定率以上に高まれば実行でき、年金の実質額を減少させることができる。公的年金の総額は20年間で1000兆円を超える。年金財政の維持のためにも物価上昇率が高いことが望ましく、国はインフレを志向する傾向を持っている。 円安の絡繰について。輸出産業から見ると企業利益が増加する円ベースの売り上げが増える一方で、原材料価格の高騰しても、それは製品価格に転嫁できる。しかし、円安は技術開発を阻害するため、長期的に見れば経済の成長を妨げることとなる。2000年以降日本は円安政策をとった。その間、輸出は増えたが、輸入も増え、貿易収支は悪化した。また賃金も上昇しなかった。20年以上の期間にわたって円安政策がとられてきたが、結果、古い産業が温存され日本経済の衰退がもたらされたという事。 また、日本経済の衰退はバブルの崩壊と言うよりも中国の輸出が増加したことが原因。日本の輸出国としての世界シェアは1986年にピークとなりそれ以降低下。日本は中国に対して円安で古い産業を残そうとしたため経済が衰退。 他にも半導体不足の真相、テスラのビジネスモデル、経済安全保障において重要な事など。読後、視界がよりクッキリしてきた。
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