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知の生態学の冒険 J・J・ギブソンの継承 サイボーグ(4) 人工物を理解するための鍵
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知の生態学の冒険 J・J・ギブソンの継承 サイボーグ(4) 人工物を理解するための鍵

柴田崇(著者)

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知の生態学の冒険 J・J・ギブソンの継承 サイボーグ(4) 人工物を理解するための鍵

定価 ¥3,850

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京大学出版会
発売年月日 2022/04/25
JAN 9784130151849

知の生態学の冒険 J・J・ギブソンの継承 サイボーグ(4)

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2024/01/23

本屋で偶然見つけて購入しました。オビに『サイボーグ論の「転回」とは「拡張」から「延長」への転回である』と書いてあり、これが気になり購入しましたが、まさに本書のキーメッセージの1つでした。 私はサイボーグ論もメディア論も完全なる素人の単なる乱読者なのですが、正直そのような「素人」...

本屋で偶然見つけて購入しました。オビに『サイボーグ論の「転回」とは「拡張」から「延長」への転回である』と書いてあり、これが気になり購入しましたが、まさに本書のキーメッセージの1つでした。 私はサイボーグ論もメディア論も完全なる素人の単なる乱読者なのですが、正直そのような「素人」にとってこの本はだいぶ敷居が高かったです。ただ第1章と最後の第4章は私のような門外漢でもなんとかついていけましたが、間にある2章、3章は四苦八苦しながら読みました(おそらく半分も理解できていない可能性があります)。自身の備忘録として私が理解した著者の主張を以下に書きます。難解ではありつつも、きわめて大事な論点を扱っている、という印象は受けましたので星4つとしました。 ・これまでの(西洋起源の)サイボーグ論は、道具・機械によって「先験的」に人間の機能が「拡張」されること、またそれが分離されることで人間の機能は「衰退」してしまう、という信念に拠っていて、この起源はプラトンの「パイドロス」にある。 ・この思想は、人間の仕事が機械に置き換わってしまうという「代替恐怖症」を、さらに、機械が手元にないと自分の機能低下が発症してしまうという「分離恐怖症」(例:スマホを家に忘れて外出した人がパニックになっているようなもの)という2つの「プラトンの呪い」を生み出している。 ・機械・道具がどのような効用を持っているのかは使用しなければわからず、その評価は発明者・制作者ではなく、使用者だけが判断しうる。ゆえに先験的な「拡張」ではなく、よりニュートラルな「延長」という言葉を使うべきである(英語では両方ともにextensionという語が基本に据えられる)。 ・メディア論で有名なマクルーハンは、extensionにもう1つのニュアンスを付与した。それは「外化」(externalization)というニュアンスである。人間が持つ機能の一部を外化したものが機械や道具であり、そこから逆に人間理解が深まる。 ・これからのサイボーグ論、あるいは道具論は、extensionというワードに対して「拡張」「延長」「外化」という3つのニュアンスがあることを認識したうえで、それらを編成していくことが重要。特に大事なのは「拡張」→「延長」への思考の転換である。 余談ですが、本書を読んでいて、ふと文化人類学者の川田順造さんが昔提唱されていて3つの技術文化(技術の三角測量)という概念を思い出しました。道具は人間を代替するものなのか(西洋)、延長するものなのか(日本)、身体を道具化するのか(アフリカ)、ということで議論が文化人類学に接続されるともっと面白そうです。

Posted by ブクログ

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