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攘夷の幕末史 講談社学術文庫2714
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2022/04/14 |
JAN | 9784065277508 |
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攘夷の幕末史
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攘夷の幕末史
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商品レビュー
2.5
2件のお客様レビュー
尊王攘夷って良くわからなかったので、この本を読んだ。尊王攘夷と公武合体の対立軸ではなく、大攘夷と小攘夷の対立軸なのは理解できた。
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著者の言いたいことは、幕末の政争を“尊王攘夷"vs.”公武合体“と捉えるのでは見誤ることになる、主たる対立軸は、「攘夷」に関する時期や方法についての違いであり、言い換えれば「未来攘夷」か「即時攘夷」かの対立である、とする。 本書前半では、そもそもなぜ攘夷なのか、経...
著者の言いたいことは、幕末の政争を“尊王攘夷"vs.”公武合体“と捉えるのでは見誤ることになる、主たる対立軸は、「攘夷」に関する時期や方法についての違いであり、言い換えれば「未来攘夷」か「即時攘夷」かの対立である、とする。 本書前半では、そもそもなぜ攘夷なのか、経世家や為政者の対外認識、理論的、思想的背景としての「日本型華夷帝国」思想が論じられ、また18世紀後半からのロシアの脅威が直接の引き金となって、国防・海防意識が醸成されていった経緯などが説明される。 後半では、主として文久年間に焦点を当て、攘夷がどのように、どの程度実行されたのか、どのような影響を政局にもたらしたのかが描かれていく。 この部分が読み応えがあった。 当時の朝廷は、即時の破約攘夷を主張し天皇親政を目指す廷臣が主導権を握り、そこに長州激派が結び付いていた。そして攘夷実行を指示する"勅命"と、横浜鎖港の交渉中であり、日本側から先制的な攻撃はするなとする"台命"との政令ニ途の状況に、西国諸藩は板挟みとなる。 なるほどと思ったのは、長州藩とは対岸の位置関係にある譜代藩、小倉藩との関係について。通行する外国船に対して、下関海峡を挟む両藩が同時に攻撃をしなければその実効性は上がらない、そのため長州藩は、朝廷の権威を盾に、小倉藩に圧力をかけていく。それに対し、隠忍自重する小倉藩。 両藩の緊張高まる中勃発したのが、朝陽丸事件。寡聞にして本事件のことは知らなかった(一般書のレベルで本事件は取り上げられているのだろうか?)。 著者は、この事件が八月十八日政変決行の大きな動機になったとする。すなわち、長州藩の暴発を抑え、政令二途状況の解消を目指す勢力が、廷臣激徒と長州藩を追い落とすものであった、と言う。 幕末史は、大きな事件が相次いで起こり、立場が入れ替わったりするので分かりにくさがあるが、文久年間における大きな流れは掴めたような気がする。 ただ、「第三章 坂本龍馬の対外認識」は、一般に龍馬は開明的で、攘夷思想とは縁も無さそうとのイメージを持たれているため敢えて取り上げているのかもしれないが、全体構成の中では少し据わりが悪い感じがする。
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