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ロビンソンの家 Memories of the never happend 1 徳間文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 徳間書店 |
発売年月日 | 2022/04/13 |
JAN | 9784198947323 |
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ロビンソンの家
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商品レビュー
3.6
7件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
胸に残る切なさが染み渡って薄まらない。 そんな物語だった。 印象深いシーンを付箋で留めながら読んでいたのだけど、序盤でリョウと李華が口喧嘩をしつつも次第に仲良くなっていったことを言及しているところを留めていた。そんなふうになんでも言い合える関係を築いたことがない自分にはとても眩しくみえた。 2人で東北へ出かけていた時間は端的に書かれていたけど、2人にはきっと忘れられない時間でその思い出を抱えて生きていくんだと思っていたけど、こんな寂しい結末だとは。 母の喪失からRの家を訪ねたが、母が生きておりもうすぐ会えるという真相と、Rの家で親しくなり、お互いを思い合っていた李花が亡くなったという事実。 ラストシーンの客室乗務員から差し出されたオレンジジュースに、私は初めて小説で涙が出た。 他にも会話の途中で挟まれる情景描写がすごくて、会話から一気に物語の世界に飛ばされる感覚があり、どんどんのめり込んでいった物語だった。 この本をおすすめしてくれた顔も名前もしらない誰かと、この本について語る機会があればと思う。
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なかなか猥談も多かったので、あまりうまく書く術を持ち合わせていないけれど、出てくる女性たちが徹頭徹尾の姿勢を貫いていてそれがどんな形であれ、強いなと思うし、重かった。色んなテーマが織り込まれていて、とても好きな小説だった。冗長ではない短めの章に、モチーフにどんな意味があるのか考えるのはとても楽しい。解説にもあったけど、小説っぽいと思う。ラストシーンも含めて闘っているようで、もっと打海さんの作品、読んでみたくなった。
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塔が燐光を発しているように眼に映る アイボリー(象牙色) 大谷石の塀があった 浅黒い肌には艶があり 肥大した自己愛と鬱積した憎悪について 一種のマッチポンプ(自作自演行為)ね。詐欺同然よ。 我々は生身の人間に投影した自分の性幻想に欲情するんだ 「論理構成はわかります。タブーを侵犯...
塔が燐光を発しているように眼に映る アイボリー(象牙色) 大谷石の塀があった 浅黒い肌には艶があり 肥大した自己愛と鬱積した憎悪について 一種のマッチポンプ(自作自演行為)ね。詐欺同然よ。 我々は生身の人間に投影した自分の性幻想に欲情するんだ 「論理構成はわかります。タブーを侵犯すると自我が動揺するんです。自我の消滅。絶対的帰依。宗教のオーガズムと似てる」 制服で拘禁して すじょう素性の不明な 俺が窃視したというスタイルで 吃って あおは青灰色の海に着水した ぜんてい前庭 赤蜻蛉の群舞ぐんぶ 施主せしゅ しょうか商家あきんど 「僕達の欲望も挫折も、本に書いてある通りの道を辿る。残念ながらね」「本当にそうなら、生きてるのが、馬鹿馬鹿しくならない?」「だからこの世界を切断する」僕は言った。「意味の切断、時間の切断」李花が言った。 あのリベラル(自由主義)な男でも優生思想が一瞬頭を過ぎる 「濃淡の差はあるが、全ての人間関係は呪縛である、と言えなくもない」 そうがい窓外に視線をめぐらして言う 偉大な変態は現実の愚行を表現によって回避するんだ くつ沓脱ぎ 「アメリカの癒しが唯一の目的だからだ。傷つけられたベトナムは、製作所の関心の外にある」 「男と女は来賓各位を前に永遠の愛を誓う。新郎は自己のペニスを新婦のヴァギナに、新婦は自己のヴァギナを新郎のペニスに、永遠に、限定的に使用するものでありますと、男と女は厳かに宣言する」 むざむざ罠に嵌り、媚態を示して俺を籠絡することに熱中した過去を、順子は酷く悔やみはじめた 「禁欲的なやつって、自分をよくコントロールして最後まで徹底的に戦うだろ?そういうやつは『マイウェイ』を歌わない。人生に悔いなし、なんて甘っちょろいことは言わない」 「誰かのアフォリズム(箴言)にある。更年期は女性が美しく陰っていく人生の秋だ」 そして見かけ上はジェンダーバイアス満載のハードボイルドとする 滅茶苦茶周到且つ八方破れな代物なのだ つまるところ母によって家父長制を破壊された少年が、器のみを残した家を経て、漂流者=ロビンソンとしてあてどなく彷徨う、その流浪の物語なのである。
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