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危機の新聞 瀬戸際の記者
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | さくら舎 |
発売年月日 | 2022/04/07 |
JAN | 9784865813401 |
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商品レビュー
2.7
3件のお客様レビュー
速報性はネットに後塵を拝し、中身の濃さは書籍に劣る。広げにくい大きさに拘り、読まない方を悪者にする。記者クラブという参入障壁を作り、特権意識に染まる。・・負のイメージしかない新聞。発行部数減が取材の現場にしわ寄せる。人員削減。現地に行けない記者たち。質の悪化に拍車がかかる。育たな...
速報性はネットに後塵を拝し、中身の濃さは書籍に劣る。広げにくい大きさに拘り、読まない方を悪者にする。記者クラブという参入障壁を作り、特権意識に染まる。・・負のイメージしかない新聞。発行部数減が取材の現場にしわ寄せる。人員削減。現地に行けない記者たち。質の悪化に拍車がかかる。育たない人材。・・ジャーナリズムの崩壊は国の衰退を招く。「だから新聞は守るべき」という決めつけには同調できない。メディアの形にこだわる必要はない。新聞ができなくなった業界にとって必要なこと、新しきものが引き継ぐ。それが本来あるべき姿。
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ジャーナリストを志す学生諸君は必読だ。本書を読めば、その志をきっぱり捨てられるだろう。 全国紙である毎日新聞の内部崩壊がリアルに描かれている。 現場に行かない、原稿を大切にしない記者。怒鳴るだけの上司。まさに終わっている。そして、いつのまにか周回遅れになっている。 心を病む...
ジャーナリストを志す学生諸君は必読だ。本書を読めば、その志をきっぱり捨てられるだろう。 全国紙である毎日新聞の内部崩壊がリアルに描かれている。 現場に行かない、原稿を大切にしない記者。怒鳴るだけの上司。まさに終わっている。そして、いつのまにか周回遅れになっている。 心を病む記者が増えているという。 その理由として著者は、デジタル化の進展による「徹底的な人減らし」とデジタル化で出現した「会話のない職場」(p186)の2点を挙げている。 しかし評者はここでさらに1点を加えたい。 「デジタル化による記者の社会的地位の低下」 である。周回遅れの職種である新聞記者は、もはやリスペクトされる業種ではないどころか、バカにされる側である。将来展望も描けない。やってられるか、である。 新聞記者という職人が消えつつある。それ自体は構わない。ただ、それが民主主義にとって悪い影響がないことを願うばかりだ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
デジタル化の波にさらされた新聞社の問題と希望が書かれる。 内容は筆者が勤めていた毎日新聞における経過が主となる。Webメディアの台頭やネットの普及に伴う効率化、合理化によっていかに記者が疲弊し、仕事が形骸化し、同時に記事に倫理や使命を突き通せなくなっているか、経験も交えながら提起されていて分かりやすい。ちょっと私情も入りすぎているような気もするけど。 その上で新聞の可能性とは信頼にあるという。世論調査では依然として新聞とNHKテレビへの情報への信頼性が高いというデータも持ち出される。 新聞やテレビ、とかく公共性が求められる分野では客観性の担保が正当性を左右する。いかに偏った情報ではないか。それは信頼とも密接に結びついていると言えるだろう。一方で著者は記者の倫理や使命を説く。特ダネでも、社会への影響を考えて記事を出さなかったというエピソードが印象的だ。では、そのような場合に不偏不党は担保されているのか。 例え偏っていたとしても、書き手の使命を信頼したいと思う。社会性を失った情報は、娯楽動画の垂れ流しと変わらないだろう。使命を抱く記者が潰される、あるいは育たないなら、社会の危機でもあるのだ。 書かれているのは警鐘であり、期待である。
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