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ハレム 女官と宦官たちの世界 新潮選書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2022/03/24 |
JAN | 9784106038778 |
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商品レビュー
3.5
10件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
中公新書の「ケマル・アタテュルク-オスマン帝国の英雄、トルコ建国の父 」に続いて読んだが、分かりやすく面白い。すっかり小笠原先生のファンになってしまった。淫蕩なイメージのある「ハレム」についてその歴史からその構成員を主軸に描いている。巻頭にオスマン帝国周辺地図と歴代スルタンの一覧があり、本書を読み進める上で非常に役に立った。「ハレム」という王位継承者を確保するのに最適な官僚機構について興味深く学ぶ事ができた。 【第1章 ハレム前史】 王族女性が「トルコ・モンゴル型」から「アッバース朝型」への変遷過渡期に2代目スルタンの寵姫ニルフェルの存在があったとの事だが、その変遷理由が分からなかった。スルタンの妻が衆目の目に晒されるか否かや、名家出身か奴隷かでは全く価値観が違うが。 【第3章 女官たち】 ドラマ「オスマン帝国外伝」を視聴していたため良く理解できたが、奴隷身分である女官がハレムの官吏として働いていた事は改めて面白い。かつてのアメリカの奴隷制度と全く違い、不可触民ではなく単なる身分制度。女官朝に至っては母皇よりも高い棒給を得ていた。 【第5章 宦官たち】 宦官手術の死亡率が25〜50%と高いことから宦官が高価になり、通常の奴隷の2〜3倍で取引されたという話は興味深い。ビザンツ帝国やオスマン帝国から中華帝国まで様々な地域で用いられた宦官だが、中国から強く影響を受けた日本には制度として取り入れられなかったのは何故なのだろうか。 【第7章 ハレムと文化】 宗教的寄進の際、出資者がモスクなどの公共性の高い施設と共にその後の運営のために店舗などの利益を生み出す物件を用意する仕組みには感心させられた。同時代のキリスト教社会では考えられない、この合理的な仕組みは、流石は元商人のムハンマドが創始した宗教である。 【終章 ハレムの歴史的意義】 「ハレムは徹頭徹尾、王位継承者を確保するという目的に最適化された組織だった。いわば、ハレムは官僚組織であり、ハレムに住まう人々は官僚だったのだ。」「皇室を有する日本を含め、世襲君主制を採用している民主国家では、後宮不在の時代にいかに君主の後継者を確保してゆくか、という問題に直面している。現代における君主制は、こうしたアポリア(難問)をかかえて運用せざるを得ないのである」
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いわゆる、あの「ハーレム」です。 女性が男性を取り巻いているようなアルファオスの象徴というか、破廉恥な文脈でもありそうな、あの現象?について。その語源を歴史を紐解き真面目に解説したもの。 ハレムは、オスマン帝国のスルタン(君主)がトプカプ宮殿に構えたもの。アッカド語のハラムが語...
いわゆる、あの「ハーレム」です。 女性が男性を取り巻いているようなアルファオスの象徴というか、破廉恥な文脈でもありそうな、あの現象?について。その語源を歴史を紐解き真面目に解説したもの。 ハレムは、オスマン帝国のスルタン(君主)がトプカプ宮殿に構えたもの。アッカド語のハラムが語源。シュメール語には、女性たちの家と言うハレムを指す単語がある。一夫一婦制を規範とするキリスト教以降、ハレムのような慣習は徐々に失われていったが、イスラムは、妻の数は4名まで。君主でもこれを破ることはできなかったが、所有する女奴隷と性的関係を結ぶにあたっては、数の制限はなかったから、ハーレムに住む寵姫たちは、基本的に奴隷から選ばれたのだという。 酒池肉林的な淫らなイメージもあるが、現実的には、後世に子孫を残す仕組みとして機能しており、奴隷であっても寵姫に格上げされたり、その子供も重んじられた。また、実際には酒池肉林のような世界は一部のスルタンを除いて常態化していたわけではない。日本では大奥のような世界だが、似たようなものだと言える。 本書のもう一つの重要なキーワードは「宦官」だ。これもイメージ通り、男子が生殖器を去勢すること。睾丸を取り除く場合と、ペニスから根こそぎ取り除く場合があり、後者の方が手術の成功率は低く、命の危険性があるために、宦官となった奴隷は高額で取引されたらしい。手術は、非ムスリムにより、イスラム世界の外で執刀されなければならないというイスラム法があったが、その規定はほぼ無視されていた。この手術の描写は、本書を読んでいても痛々しい。 ハレムや宦官の存在は、原始的なヒエラルキーにおける原初的な欲求を機軸とした君主の強さを物語る。ただの性欲というよりも、血を繋ぐことでの支配欲だ。権力に対する統制が徐々に大衆の人権を高めたが、それ以前の世界は、現代の価値観では信じられぬような悍ましい慣習が横行していた。興味深く読めた一冊だった。
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