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幸村を討て
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2022/03/22 |
JAN | 9784120055157 |
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幸村を討て
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商品レビュー
4.3
100件のお客様レビュー
歴史小説×ミステリーの味わい。
2022年5月読了。 「真田好き」の自分としては、発売の記事を読んだ時から気合充分で読み始めた。 一次資料の少ない信繁(幸村)を敢えて中心に置かず、その周りの武将達を描くことによって、「幸村の戦い」ではなく「真田家の戦い」に擦り変わって行くと云う着想には唸らされた。 結...
2022年5月読了。 「真田好き」の自分としては、発売の記事を読んだ時から気合充分で読み始めた。 一次資料の少ない信繁(幸村)を敢えて中心に置かず、その周りの武将達を描くことによって、「幸村の戦い」ではなく「真田家の戦い」に擦り変わって行くと云う着想には唸らされた。 結果(歴史)が分かっている戦いに於いて、読者を如何にその世界へ引き摺り込むかが、作家の腕の見せ所だが、連作短編集の形で徐々に不可思議な謎を纏わせ、最後にまるで「法廷劇」の如くスパッとキメて見せるキレの有る結末には拍手を送りたい。 歴史小説にミステリ要素を絡めると云うのは、簡単なようで難しいこと。それを「真田家」で書き上げた挑戦は本当に素晴らしい。 ただ、ただね…、実質的にこのお話は「真田家の戦い」にした信幸(信之)の物語に成っていて…、信繁がフワフワッとしか描かれていないのと、こんなにお兄さんが野心的な方であれば、あんな事態には成らなかったのでは無いか?と云うそもそも論的な感情が芽生えてしまう訳で…。勿論、「小説」であることは分かっているのですが、無い物ねだりをしてしまうんですよ、「真田幸村」のファンとしては…ww。 だからその分だけ、評価はマイナスに成っちゃいました。 でも、これを読んで又「真田太平記」を読み直したいなぁと思ったのも確かです。今村先生、ありがとう。
左衛門佐
今村翔吾さん「幸村を討て」 「じんかん」がとても素晴らしかったので立て続けて3作品目に突入。 舞台は大阪の陣、あの有名な真田幸村の奮闘の影で何が、そして誰がどう関わっていたのか? 現代まで当時の「真田」の名が何故色濃く残っているのか、その真相が描かれている物語。 徳川家康や伊達...
今村翔吾さん「幸村を討て」 「じんかん」がとても素晴らしかったので立て続けて3作品目に突入。 舞台は大阪の陣、あの有名な真田幸村の奮闘の影で何が、そして誰がどう関わっていたのか? 現代まで当時の「真田」の名が何故色濃く残っているのか、その真相が描かれている物語。 徳川家康や伊達政宗を含め6人の大阪の陣の逸話を綴り、その謎に迫る連作短編集。 まず構成が素晴らしい。 兄源三郎と弟源二郎の名前に困惑するのだが、各章の間に信幸と信繁の兄弟の幼少期のエピソードを挟み、父昌幸、主君武田信玄との関係がよく分かる。 真田家が武田家に対する厚い思い、御屋形様と慕う信玄公の愛情と人間味が好感を誘う。 そして信幸が信之、信繁が幸村へと改名する、この信玄公の「信」真田家の「幸」の字に纏わる二人の運命。 決死の覚悟の表れが正に「名は体を表す」 その「名」とその「体」とは何か?という事に見事に準えた作品だった。 この作品では大阪で戦う幸村の影で江戸にいる信之が黒幕として指示内通していたという物語だったが、さもあり得る話にも感じる。 こういう突飛な逸話を描ける作者に脱帽。ただの歴史小説と一線を画している。 物語の佳境、家康と信之が江戸城にて真相を巡り攻防を繰り広げる展開、お見事としか言いようがない。 今までの伏線回収にもなりながら、お互いの腹の探りあい、一言一句はき違えられない、その一言一言の間合いもが緊張に飲み込まれる様。 江戸城での家康と信之のこの向かい合い繰り広げた談義こそが長き戦国時代最後の戦い、即ち平定の幕開けなのだと感じさせられた。 家康も素晴らしい人物像として描かれており、やはり天下人の器と器量を覗かせて物語は終わる。 最高だった。 作者の作品をもっと読みたい。
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真田幸村に、本陣の大御所徳川家康の目の前にまで攻め込まれて、腰を抜かして絶叫した言葉が、「幸村を討て!」だった。 幸村の目的は、家康を討ち取る事にあるのではなく、後世に、自分の名前及び真田家の名声を残す事にあったので、わざと槍を外して、自ら討ち取られた。その目的は、見事に達成さ...
真田幸村に、本陣の大御所徳川家康の目の前にまで攻め込まれて、腰を抜かして絶叫した言葉が、「幸村を討て!」だった。 幸村の目的は、家康を討ち取る事にあるのではなく、後世に、自分の名前及び真田家の名声を残す事にあったので、わざと槍を外して、自ら討ち取られた。その目的は、見事に達成された。 ここに至るまでの作戦を、真田信之、幸村兄弟の差し金で、全てコントロールされていたのが、驚きで、最後に家康を「ぎゃふん!」と言わせた落ちは、痛快だった。
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