まるみちゃんとうさぎくん

大前粟生(著者), 板垣巴留(絵)

• 販売会社／発売会社: ポプラ社
• 発売年月日: 2022/03/16
• JAN: 9784591173114

商品レビュー

2022/06/27

ソーンダースの『短くて恐ろしいフィルの時代』みたいにナンセンスに見えて寓意があるようなものを期待したのだが、それほどナンセンスでもないし、寓意もありきたりだった。
児童書としては珍しい設定なのかもしれないが、言いたいことはこの設定じゃなくても描けると思うし、『フィル』ほどぶっ飛ぶ面白さもない。
ソーンダースが素晴らしい作家だから、比べちゃいけないか。
まあ、子どもは楽しめるかも。

2022/06/11

新聞の書評をみて手に取る。
架空要素が驚きのものだった(ある日突然、外にいると深層心理が身体で具現化する)。ただ、最初は不思議な事象より、人と交わるのが苦手なまるみちゃんと家族と交流少なくて寂しいうさぎくんの心うちを書き出すことに重きが置かれてます。個人的には自分の特別な変化を見つめる時や、治せることになったあとのみんなの反応の方が面白かったです。
絵の板垣巴留さんはBEASTARSの方なんだ！なんか、挿絵イマイチだなーと思ってたけど、実は超有名人だった。挿絵で借りる子いそう。

2022/06/04

・夕日の美しい“夕日町”のお祭りの日以降、町の人々は外に出ると特殊な能力を得たり、体の形が変化するようになりました。
一人でいることが好きな女の子まるみちゃんと、一人でいるのがさみしい男の子うさぎくんと家族と学校の友だちのお話。

〇不思議な雰囲気の物語。
町の人たちの“スペシャル”の受け止め方がおおらか。
主人公小学生で児童書くくりだけど、Y A でもよいような。イラストも板垣さんだし。
読み手によって、気になるシーンが違いそう。
コロナ禍の社会をモデルにしたようでもあり、スペシャルへの願望を形にしたようでもあり、傷ついた心の回復がテーマのようでもあり。
「バラバラなのはわるいことじゃない」
←そだねって思えたら、背中に羽がはえるかも。