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モンテーニュ入門講義 ちくま学芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2022/03/14 |
JAN | 9784480511102 |
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モンテーニュ入門講義
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商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
モンテーニュを本当に味わうにはある程度の「成熟」が必要だ。端的に言えばそれは「老い」である。『エセー』の最大の読みどころはその死生観だと思うが、本書もその点にフォーカスする。この世界に常住不変の真理はなく、自己を含めて全ては移ろい行くと観ずるモンテーニュにとって、よく生きるとは、...
モンテーニュを本当に味わうにはある程度の「成熟」が必要だ。端的に言えばそれは「老い」である。『エセー』の最大の読みどころはその死生観だと思うが、本書もその点にフォーカスする。この世界に常住不変の真理はなく、自己を含めて全ては移ろい行くと観ずるモンテーニュにとって、よく生きるとは、ありのままの自然を受け入れ、その変化を味わい尽くすことだ。「メメント・モリ(死を思え)」とは、よく生きる為には死を見つめよという意味だが、モンテーニュは死を積極的に意味づけることも、意志の力で死を乗り越えようともしない。木々が芽吹き、花を咲かせ、やがて枯れていくように、人は生まれ、成長し、そして死ぬ。それが凡ゆる生が経巡る自然の成行きならば、何も恐れることはない。 日本人になじみ深い無常観にも通じるが、それを頭で理解するのでなく、心で実感するのはそれほど易しくはない。人は自分の死を経験できないが、死が生の彼方にあり、生と断絶した絶対的な不可知であればこそ死を恐れる。そこでモンテーニュは言う。我々は少しずつ死んでいるのだ。老いとともに、気力・体力は衰え、病にも襲われる。それは日々経験する小さな死ではないかと。歯が一本抜け落ちるように痛みもなく、という感覚は異様にリアルだ。キリスト教は人間のライフサイクルを「生-老-死-生」と考えるが、モンテーニュは「生-老-死-無」と見做すと著者は言う。そこでは死はもはや受け入れる対象ですらない。「私は溶け、(生が)私から抜け出していく」のだ。死生観のコペルニクス的転回とも言えるが、それを身に染みて感得するのは、自らの「老い」を自覚した者だけだろう。 著者は第一線のパスカル研究者だが、パスカルが生と信仰の問題を愚直に探求する魂の人だとすれば、モンテーニュは洗練された都会の教養人の趣きがある。一方は生と死に思想的に対峙し、他方は感覚的に受容する。青臭い思想家と老練な芸術家、生真面目で野暮な近代人と洒脱で粋なポストモダンの先駆等々、比較は幾通りにも可能だが、著者は必ずしもパスカルの心酔者ではない。年齢とともに、どちらかと言えばモンテーニュへの共感が増しているのではないか。パスカルは39歳で世を去り、遺稿集『パンセ』を残したが、モンテーニュは39歳で『エセー』を書き始め、死の直前まで書き続けた。堀田善衛、保苅瑞穂、宮下志朗などの優れたモンテーニュ論が、いずれも壮年〜老年期に書かれたのは偶然ではない。ちなみに三木清が『パスカルに於ける人間の研究』を書いたのは29歳だ。評者と同い年の山上氏も50代の半ばを過ぎた。本書はその年輪に相応しい渋みを感じる。でも学生さんにはこの良さはわからんのじゃないかな。それでいいと思う。モンテーニュを愛読する若者なんてあまり可愛くない(笑)。
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覚え書き。 人間はどんな物事であっても一つの気持ちを純粋に味わうことはできない。 目に見えるもの、見えないもの(感情)全て異物が混ざっている。 物事や他人からの評価をすぐに肯定したり否定したりしない。白黒つけようとしない。懐疑主義でいること。 仕事は演劇と同じ。求められた役割を...
覚え書き。 人間はどんな物事であっても一つの気持ちを純粋に味わうことはできない。 目に見えるもの、見えないもの(感情)全て異物が混ざっている。 物事や他人からの評価をすぐに肯定したり否定したりしない。白黒つけようとしない。懐疑主義でいること。 仕事は演劇と同じ。求められた役割を演じればよい。 身も心も仕事に捧げるのではなく、直感的に自分が心地よいと感じることを大切にする。 直感的によく分からないものは放っておく。 合わないものからは距離をおく。
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やはりタイトルのとおりに入門内容だが、非常にコンパクトにわかりやすくまとまっているので、とても読みやすい。 これを読む前か後に、ちゃんと原著も読みたい。
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