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木 新版 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2022/03/03 |
JAN | 9784101116129 |
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木 新版
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商品レビュー
4.1
18件のお客様レビュー
PERFECT DAYSの役所広司の気分で読んだ(^^) 樹木を擬人化しすぎて感傷的に捉えすぎるところが気になったが、著者の深い心の動きが丁寧に表現されていると思った。 藤の項で、父露伴が、子育てにあたって、植物を楽しむ心をこどもに持たせることができたら一生の財産だ、という信念...
PERFECT DAYSの役所広司の気分で読んだ(^^) 樹木を擬人化しすぎて感傷的に捉えすぎるところが気になったが、著者の深い心の動きが丁寧に表現されていると思った。 藤の項で、父露伴が、子育てにあたって、植物を楽しむ心をこどもに持たせることができたら一生の財産だ、という信念を語る場面がある。ここが一番心に残った。
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作者の四季それぞれの木を実際に見にいく姿勢が良かった。よい材だけではなく、使えない材(アテ)が可哀想だと、どのくらい厄介者なのかを確かめるところにも木への愛を感じた。 屋久杉の章にもあったが、水と光だけで数千年も生きているなんて、木はすごい。 最近台風で屋久島の樹齢3000年...
作者の四季それぞれの木を実際に見にいく姿勢が良かった。よい材だけではなく、使えない材(アテ)が可哀想だと、どのくらい厄介者なのかを確かめるところにも木への愛を感じた。 屋久杉の章にもあったが、水と光だけで数千年も生きているなんて、木はすごい。 最近台風で屋久島の樹齢3000年の弥生杉が倒木してしまった。気候変動の影響は確実にきている。 美しい木々を守るためにも行動していく。
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帯ではなくカバー自体に「アカデミー賞国際長編映画賞部門ノミネート『PERFECT DAYS』で話題の一冊!」と印刷されていた。実際、それだけでこの2年間に6刷もしているので効果あるのだろう。もちろん、わたしもそれで買った。映画の方は、このままいけば今年のマイNo. 1になる。本書...
帯ではなくカバー自体に「アカデミー賞国際長編映画賞部門ノミネート『PERFECT DAYS』で話題の一冊!」と印刷されていた。実際、それだけでこの2年間に6刷もしているので効果あるのだろう。もちろん、わたしもそれで買った。映画の方は、このままいけば今年のマイNo. 1になる。本書は、未だ物語が動き出す前に映画の主人公が寝る前に少しづつ読んでいた本である。つまり、主人公平山さんの信条そのものを現していた本でもあったというべきだろう。 そういう風に読んでみると、幸田文の木々に対する思い出や、態度は、まさにPERFECT DAYSそのものだったような気がする。 いっとき、わたしは野の花に凝ったことがある。県北の瀑布への小径を毎夏通い、「あゝ今年も此処にこの花が咲いている」と確認することを繰り返した。花はひと夏で萎むけど、植物そのものは上手くいけば永遠に近い生命を生きるのだと実感した。「そう思う自分に酔っているのだ」と友だちに批評された通りに、暫く続け、尾瀬に行って雨で酷い目に遭って夢から醒めたようにその趣味は消えた。 映画の平山さんは、ほぼ毎日、ほぼ同じ公園の同じ木の「木漏れ日」の写真を撮り続けて、おそらく数年は経っていて飽きる様子がない。幸田文さんも、えぞ松の更新に生死輪廻を感じ、3代に渡る木花の生育に想いを馳せ、檜に履歴書を見、七千歳の縄文杉の過酷な一生を想う。ほぼ一生をかけて、木々の「秘密」を追っていた。平山さんも、幸田文さんも、木への愛情は、わたしのような一朝一夕のものではなく、本物である。だからこそ見えてくるものがある。 倒木の上にえぞ松は芽を出す。そうすると真一文字にえぞ松は「更新」する。時間にして250年か300年か。「森はゆっくり巡るのだろうか、人があまりにも短命なのだろうか。」 時々出逢うことのある何百年という大樹に向かい、わたしはいつか聴いておこうと思う。わたしはここまで生きて来て大丈夫だったんだろうか?と。
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