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和音の正体 和音の成り立ち、仕組み、進化の歴史
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス |
発売年月日 | 2022/02/24 |
JAN | 9784636968910 |
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
和音の基礎知識から、時代的変遷、何人かの作曲家の特有の使い方などを、音楽を専門としない人向けに、わかりやすく説明した本。 以前『クラシックのからくり』を読んだので、きっと同じような語り口なのだろうと予想がついた。 親しみやすく、読むのにそれほどストレスがない。 実際その通りだっ...
和音の基礎知識から、時代的変遷、何人かの作曲家の特有の使い方などを、音楽を専門としない人向けに、わかりやすく説明した本。 以前『クラシックのからくり』を読んだので、きっと同じような語り口なのだろうと予想がついた。 親しみやすく、読むのにそれほどストレスがない。 実際その通りだったが、判型は意外と重要だな、ということだった。 譜例が(そうはいっても)出てくるので、文庫よりA4判の方が読みやすい。 内容としては、以下のところが自分にとって面白く感じた。 ・通奏低音や数字付き低音の読み方 ・ドビュッシーの空虚5度(3度の音を欠いた和音) ・ナポリの和音(Ⅱの和音の根音を半音下げたもの) ・ピカルディの3度(短調の曲の最後の和音だけ長調にする終止法) トリスタン和音やフォーレ進行などは、もはや和音単体でなく、進行そのものに関わってくる。 進行のことについてももっと知りたかったのだが…。 アマチュアでも楽器を学んでいる人は多いと思う。 本書のレベル以上、専門書未満というレベルの本があればなあ、と思う。
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QRコードより和音を聴けるのが良かった。今回は和音にとって重要な2音と、和音の組み合わせ方と呼び方を知った。ぜひ読み返したい。
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クラシック音楽のレビューを時々書いていて、最近、プーランクやドビュッシーやバルトークやヤナーチェクなど、独特の響きを作る作曲家の曲を「面白い」と思って聴けるようになってきた。 彼らの音楽の響きの秘密は「和音」にあるのだろう」と思いながら、その知識がないから、「独特の色彩」などと...
クラシック音楽のレビューを時々書いていて、最近、プーランクやドビュッシーやバルトークやヤナーチェクなど、独特の響きを作る作曲家の曲を「面白い」と思って聴けるようになってきた。 彼らの音楽の響きの秘密は「和音」にあるのだろう」と思いながら、その知識がないから、「独特の色彩」などと同じような表現で逃げている自分をもどかしく感じ、和音の勉強がしたいと思っているときに、この本をブックオフで見つけた。 まずは、和音の基礎知識から。和音とは隣合わない高さの音が三つ以上同時に響くことをいう。基本中の基本の和音、ハ長調の「ドミソ」の和音でいうと、「ド」は和音の土台となる音、「ソ」は「ド」と溶け合う音、そして真ん中の「ミ」はその和音を正確づける音となる。 例えば、「ドミソ」の和音は明るいが、真ん中の「ミ」を「♭ミ」にするだけで、途端に暗い和音に変わる。つまり、和音を明るくするか暗くするかの決定権は真ん中の音にあるという。 フランスの作曲家たちが好んで使用した和音は、この決定権を持つ真ん中の音をあえて外したものだった。だから、「明るい」とも「暗い」とも言えない独特の響きがある。 私が和音に興味を持ったきっかけの疑問は早くもこの本の序章の部分で解決してしまった。 この本は音楽の専門家でなくても「和音」という入り口から音楽の理論が目から鱗が落ちるように理解出来ていく素晴らしい本だった。 以下に、一部メモ。 「ナポリの和音」 イタリアのナポリ楽派が生み出した独自の和音。短調のIIの和音の根音を半音下げた和音のこと。それまでの調にはない音が出てくることで、一瞬ずれるような、少し別の方向へ行きそうな変化や意外な感じを与える。ベートーヴェンのピアノ、ソナタ「月光」やショパン「バラード」第一番にも効果的に使われている。 「ドリアの和音」 中世ヨーロッパの教会音楽で用いられてきた「教会旋法」に由来し、現在の長調、短調とは少し異なる音階。よく知られているのは、レの音から始まるドリア旋法。それは現在のニ短調の自然短音階と似ているが、第六音が♭シではなく、ナチュラルのままのシである。そのため ニ短調自然音階からは不安や悲観や荘厳、崇高さが感じられるのに対し、ドリア旋法からは民族的な響きや異国情緒が感じられ、懐かしいようなもの悲しいような雰囲気になる。イギリス民謡「グリーンスリーブス」でも一瞬、ドリア旋法が使われている。ドリア和音の効果は短調の中に一瞬だけ長調の和音が入りこみ、「寂しく暗い」雰囲気の中に光が差し込んだように感じられる。 「悪魔の音程」 ファとシの音の間隔、すなわち増4度音程を同時に鳴らした時の響きのこと。4つの音の間隔が、全て全音で、宙ぶらりんで安定しない、不思議な響きがする。バロック以前は忌み嫌われていたが、古典派以降はこの音響効果が逆に愛好され、積極的に使われるようになった。 サン=サーンス「死の舞踏」やホルスト「惑星」の中の「火星」にも使われている。 日本の「緊急地震速報」の音はこの「悪魔の音程」をアルペッジョで鳴らしたもの。 基本の三和音 ・長三和音→明るさ、喜び、楽しさ ・短三和音→暗さ、悲しさ、寂しさ ・増三和音→焦燥、不安、膨張 ・減三和音→落胆、恐れ、侘しさ 四和音の使用例 ・属七の和音→欲求、従属、不安定 ・減七の和音→苦悩、不安、恐怖 和音の始まりはピタゴラスの発見から ピンと張った一本の糸を弾いた時に響く音に対し、弦の長さが2分の1になる位置で弾くと、元の音の1オクターブ上の音が出る。最初に弾いた音をドとすると弦の長さが三分の1になる位置で弦を弾くとソの音が出る。このように弦の長さを分割していくと音階が出来た。ピタゴラスが発見した「ピタゴラス音階」ではオクターブや完全5度などの単純な整数比でできる音程は綺麗に響くが、転調するとその美しい響きが崩れるというデメリットがあるため、現在では1オクターブ間の間隔が12の半音に等分された「平均律」が使用されている。 クラシック好きの人もポップス好きの人も音楽を聴いていて痒いところに手が届くような本。音楽って決して感覚だけで作られているものではなく、数学的な理論に裏付けられていると分かる。だけど、この本の帯に書かれているように「1+1=2」とはならない和音の素晴らしさ。 私は利用していないが、QRコードがついているので、実際の音を聴きながら読むことも出来る。
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