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虐待リスク 構築される子育て標準家族
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 生活書院 |
発売年月日 | 2022/02/03 |
JAN | 9784865001358 |
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虐待リスク
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本書によると、現在日本では、「子どもの命を救う」ことを大前提とした、児童保護システムに基づいて、虐待「リスク」のある子どもたちをチェックしたり、保護したりしている。 が、そのリスク判定はかなりアセスメント化され、親である保護者が身体的・心理的・金銭的に育児について困った時、「ニー...
本書によると、現在日本では、「子どもの命を救う」ことを大前提とした、児童保護システムに基づいて、虐待「リスク」のある子どもたちをチェックしたり、保護したりしている。 が、そのリスク判定はかなりアセスメント化され、親である保護者が身体的・心理的・金銭的に育児について困った時、「ニーズ」があるとして素直に機関に相談に行くと、虐待「リスク」があるとされ、肝心の親子が健全に一緒に生活していくための「ニーズ」を補う側面が疎かになってしまっている。 児童福祉から児童保護へと読み替えられてしまっているのだ。 そして実際には虐待がないのに子どもが一時保護を受け、再度一緒に過ごすためには長い時間を要し、さらに虐待がないのに虐待があったと認めなければならないなどの問題点もある。 またそうやって一時保護された子どもは、「虐待された子ども」として、将来親になった時に「子どもを虐待するリスクのある人間」として登録されてしまうのが実情だ。 しかし、重大な虐待が起き子どもが死んでしまうと世間から多大なバッシングがあるため、こうしたリスク社会になってしまう一面がある。 虐待リスクは社会問題によって蓄積されている実情があるのに、個人の問題とされてしまっている。しかも保育所や貧困世帯の保護者の夜間勤務などは、個人ではどうしようもない問題なのだ。 本書では、虐待と判定され(本ケースでは実際は違う)親子分離を余儀なくされた3人の親の語りや、実際に一時保護を経験した子どもの語り、また多文化による虐待認識の差、ヤングケアラーは被虐待児なのか?ヤングケアラーの問題点などがあげられている。 この間「砂に埋もれる犬」という小説を読んだのだが、その中に一時保護施設の描写があり、あれは本当なのかとかねがね気になっていた。本書にある一時保護を経験した子どもの語りによると、あの小説の描写は大体一致しており、一時保護施設は子どもにとって(自治体などに差はあるかもしれないが)かなり過酷な環境だと推測できる。 また、本書では、国際的に児童虐待問題の位置づけを三つに分類して紹介している。 日本やアメリカ、イギリス、オーストラリアなどが該当する児童保護システム、先住民社会が該当するコミュニティ・ケアリングシステム(子どもと家族の安寧はコミュニティの集合的な責任だと受け止められている)、最後にスウェーデンやオランダなど主にヨーロッパ諸国が該当する家族サービスシステム(子どもの保護は児童福祉のなかのひとつを占めるにすぎない。親子関係のためのサポートと子どもへのケアの提供を最重要の課題に掲げている)がある。 とても興味深かったので記しておく。 実際に現場で働く児相の職員の方の話や、一時保護施設、他国の対策、また同じ虐待リスク判定についても他の書籍にあたるなどして知りたいと思った。
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テレビの虐待死報道からは、「児相は何をやってたんだ!」という圧を感じるけれども。 リスクアセスメントの必要性もわかるが、 そもそもなぜリスクを考える必要があるかというと、 「あるべき像」からの乖離の程度を知って予防するため、とつながる。 その「あるべき像」とは、おとなしく、文...
テレビの虐待死報道からは、「児相は何をやってたんだ!」という圧を感じるけれども。 リスクアセスメントの必要性もわかるが、 そもそもなぜリスクを考える必要があるかというと、 「あるべき像」からの乖離の程度を知って予防するため、とつながる。 その「あるべき像」とは、おとなしく、文句を言わない、自分の心身の状態を整えて、子を健康的に育て、夫婦関係も良好に維持する「母」つまり女性。 リスクや責任をすべて個人に帰するのでいいのか、 政府や社会の無策は糾弾されないのか、 という主張もなされている。 なるほどと首肯することの多い本だった。 児相など現場の人の本音を聞いてみたい。
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