ロボットには尻尾がない 〈ギャロウェイ・ギャラガー〉シリーズ短篇集 竹書房文庫

ヘンリー・カットナー(著者), 山田順子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 竹書房
• 発売年月日: 2021/11/29
• JAN: 9784801928893

商品レビュー

2024/06/07

収録作品一覧。酔っぱらった時の発明をしらふで覚えていないために引き起こされる騒動。まどろっこしい面白さがある。警察と裁判所が必ず出てきますね。「世界はわれらのもの」が好きかな。
--------------
タイム・ロッカー
世界はわれらのもの
うぬぼれロボット
Gプラス
エクス・マキナ

2024/06/03

初ヘンリー・カットナー。しかも1940年代のユーモアSF連作集。タイトルからするとAIがらみに通ずるものが期待されるが、そんなことはない。だからなぜ今出版されたかは謎。いつも意表をつく竹書房に敬礼。

泥酔状態になると深層意識が解放され天才的発明をするが、酔いが覚めると記憶も定かではないし科学的知識もない凡人にもどってしまう主人公。その深層意識が何をしでかしたかを突き止めて行くミステリー仕立てとなっているけれど、その謎の部分のSF的スケールが小さいから若干どうでもいい感が漂う。汗。

唯一「世界はわれらのもの」がおもしろかった。未来の火星から呼び出されたうさぎくらいの大きさの３匹の生き物が「入れてくれ！世界はわれらのものだ！」と玄関先で叫んでいるところから始まる可愛らしい作品。これを読んだからといって人生なにも変わらないが、駄菓子的気分転換にはなろう。これも自分には大事だなぁ。
ムーアとの共作「たそがれの地球の砦」も読んでみたくなる。

2023/05/04

酩酊すると天才科学者に豹変するギャラガーは、依頼者の問題を解決するとんでもない発明機械を作り上げるが、酔いが醒めるとその機能も依頼者のこともすっかり忘れてしまい、とんでもない発明機械が様々なトラブルを巻き起こす、というお決まりのパターンで始まる五編が納められている。基本ドタバタで、ユーモアに富んでいるが、仕掛けがなかなかに巧妙で謎解きの面白さがある。忘れてトラブって、徐々に思い出して最後に依頼者の問題と共に解決するというパターンが続くので、段々飽きてくる感もありつつ、ギリギリ飽きさせずに読ませてくれる。軽く読むのにいい海外SF短編集だ。ちなみに、後書き解説で、この作家さんが1915年生まれと知り驚愕。