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最後の角川春樹
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 毎日新聞出版 |
発売年月日 | 2021/11/19 |
JAN | 9784620327105 |
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最後の角川春樹
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商品レビュー
4.1
13件のお客様レビュー
『人間の証明』、『セーラー服と機関銃』…活字と映像を交錯させて、表現の力で社会を揺り動かした戦後最大の出版人、その魂の軌跡。 ロング・インタビュー。自らの監督作品への言及が興味深い。 「五月の七日間」への言及が2冊続いたのは、偶然にしては出来過ぎ。
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話半分に聞かねばならない部分もあるかもしれないが、 インタビュアーが相当な下調べを経て質問しているので、 そんなに(少なくとも角川春樹から見た)事実とはかけ離れていないのだろうという印象。 角川映画を知っていればいるほどのめりこみそうなノンフィクション。 個人的にはもう少し、幻...
話半分に聞かねばならない部分もあるかもしれないが、 インタビュアーが相当な下調べを経て質問しているので、 そんなに(少なくとも角川春樹から見た)事実とはかけ離れていないのだろうという印象。 角川映画を知っていればいるほどのめりこみそうなノンフィクション。 個人的にはもう少し、幻魔・カムイ以外のアニメ映画の話が聞きたかった。
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東京五輪のスポンサー選定をめぐる贈賄疑惑で、KADOKAWAの角川歴彦社長が逮捕されたから読み出したわけじゃなく、向こう3ヶ月分の積読本の順番がこの度とたまたま重なる。 本書は、創業以来文芸路線をひた走り、海外文学作品においても通を唸らせるラインナップをしていた角川書店。 そ...
東京五輪のスポンサー選定をめぐる贈賄疑惑で、KADOKAWAの角川歴彦社長が逮捕されたから読み出したわけじゃなく、向こう3ヶ月分の積読本の順番がこの度とたまたま重なる。 本書は、創業以来文芸路線をひた走り、海外文学作品においても通を唸らせるラインナップをしていた角川書店。 その創業者であり実父の角川源義との長きにわたる諍いを経て、1975年二代目社長に就任するやエンタメ路線に大きく舵を切った角川春樹。 たちまち破格の構想力と行動力で一躍時代の寵児に。そして二度の服役と社長解任からの再起…激烈な半生を、2年間・延べ40時間を費やし、インタビュー形式で語るオーラルヒストリー。 70年代半ばより世に角川春樹を知らしめた『角川商法』。今ならコンテンツを所有する会社が映画業界に進出しても何ら不思議はないが、当時は『餅は餅屋』の時代。 既成認識を蹴散らし、自社が発行する小説を原作に映画を続々と製作。アジテーション風キャッチコピーを大量の広告宣伝に乗せ、来館誘引策として文庫のしおりを割引券にする、宣伝と販促を巧みに組み合わせたメディアミックス。戦略はズバリと当たる。 忘れさられていた作家 横溝正史を復活させ、森村誠一の社会性とスケール感のあふれる証明3部作や半村良・大藪春彦・片岡義男・赤川次郎らの作品を次々に映画化。 本書は、1976年『犬神家の一族」から2021年『みをつくし料理帖』までの映画製作に紙幅は割かれ、松田優作・渡瀬恒彦・薬師丸ひろ子・市川崑・大林宣彦・相米慎二・藤田敏八・崔洋一らとの関係を仔細に語り、文芸分野では吉本隆明・中上健次・北方謙三との熱い交流、もちろん実弟 歴彦氏との相容れない関係も生々しく語り、中には安井かずみと付き合っていたとか…赤裸々に坦懐。読みどころは、麻薬所持での2度の収監と屈辱の日々の語りはドキュメント感ありあり。 角川春樹の真骨頂はプロデュース能力。CMディレクターの大林宣彦を監督に抜擢、片岡義男の作品には南佳孝のサウンドが合うとにらみ、三国志を読んだことがない北方謙三には北方三国志を書けと命じ、みをつくし料理帖の作者 髙田郁を発掘…目利きの鋭さが際立つ。 優れたCMプランナーは一見奇想天外と思えるアイデアも後々分析するとマーケティング的にも優れ、アイデアとマーケティングが円環を成しているが、それと同じ匂いを感じる。 何としても触れておかないといけないのは、本書を疾走感のある半生記に仕立て上げているのは、著者の伊藤彰彦氏。この方の存在無しではこの企画は成立しなかったと断言できる。 時代劇評論で健筆を振るう春日太一と、インタビューアーとしては無双感を醸す吉田豪を合体したような印象を受けた。 伊藤氏からは聞きづらいことにも斬り込む強い覚悟を感じ、何よりも多面な顔を持つ巨魁 角川春樹に立ち向かうべく、出版・文芸・映画の知識は言うまでもなく、それに加え宗教・俳句・民俗学等の知識と素養を有することで、貴重な証言や裏話は引き出す、博覧強記ぶりと周到な準備には舌を巻いた。終始、ゴキゲンに語る角川春樹の姿が立ち上る。 インタビューの最後に語った『紙の書物と町の本屋を守る』という言葉に、表題の『最後の角川春樹』は反語的用法⁈と思ったほど、ますます意気軒高を通り越し『角川春樹、不死身説』を唱えたくなった。
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