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完本 中国再考 領域・民族・文化 岩波現代文庫 学術439
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2021/11/16 |
JAN | 9784006004392 |
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完本 中国再考
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中国の複雑さを、中国人自らが語った文章。全体的にフェアな書きぶりであると個人的には感じられ、中国にもこのような冷静な議論があるという事実に感銘を受けた。 中国は帝国と近代国家の顔を交錯させている国である。その勃興に伴い、西側中心の既存秩序、周辺諸国と衝突を繰り返す中国の今の本...
中国の複雑さを、中国人自らが語った文章。全体的にフェアな書きぶりであると個人的には感じられ、中国にもこのような冷静な議論があるという事実に感銘を受けた。 中国は帝国と近代国家の顔を交錯させている国である。その勃興に伴い、西側中心の既存秩序、周辺諸国と衝突を繰り返す中国の今の本質を、中国人自ら歴史から解きほぐし分析している点に価値がある。 中国はそもそも一つなのか。中国では漢民族中心主義(国境を意識する近代国家)と、多民族主義(天下が果てしなく広がるイメージの帝国)が相互に顔を出す国である。また、その領域も歴史的に増減幅があった(周辺諸国の一つである日本にとってみれば、その増減幅が死活的な脅威となるわけであるが)。よって「古来より固有の領土」という言い方は、周辺諸国との軋轢を生むだけである。しかしながら「確かに中国」といえる範囲、文化はあり、それを過度に過小評価するのもまた事実に反するものである。 このような中国を目覚めさせたのは、日本であり、日本が中国を分断させようとすればするほど、中国のナショナリズムは高まりを見せた。そして目覚め、勃興した中国は、既存のルールにNOを言い出すようになり、帝国としての顔をのぞかせ、膨張の傾向を見せるようになった。習近平の掲げる「中国の夢」は帝国としての中国の復興、中心としての中国の立場を取り戻す意味であることは想像に難くない。 このような中国といかに向き合うかは、我が国が背負った歴史の贖罪といえようか。
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