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東京アクアリウム 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2021/10/21 |
JAN | 9784041113202 |
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商品レビュー
3
2件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久しぶり、そして2冊目になる小池さんの作品。語り手が女性のお話が7篇、男性が語り手のお話が一篇の短編集。 主人公はどれも30代から40代。恋も仕事も色々と経験し、その人の過去を垣間見ながらこの先どうなるのか…と思った所で終わってしまうので、続きを読みたくなる物もあった。 『風』は衝撃的。学生時代の同級生と不倫していた千晶。その相手である川原とした約束。まさか通夜にやってきて約束を果たすとは…。 そして『父の手、父の声』は二ヶ月に一度新幹線に乗って不倫相手に会いに行く香織。 どちらも夫と子供のいる普通の主婦なのに家族には見せない顔を持っている。しかし、誰しも本当の顔は自分しか知らないのかもしれない。
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先日読んだ「妻の女友達」と本書とでは、同じ著者の短編集ながらも、収録作が発表された時期にはおよそ二十年ほどの隔たりがあり、各々から感じ取れる趣の違いに、小池真理子の作家としての変遷が窺える。エンタメ的要素の強い前者と異なり、小池文学の一端を成す後者には謂わばオチが用意されておらず...
先日読んだ「妻の女友達」と本書とでは、同じ著者の短編集ながらも、収録作が発表された時期にはおよそ二十年ほどの隔たりがあり、各々から感じ取れる趣の違いに、小池真理子の作家としての変遷が窺える。エンタメ的要素の強い前者と異なり、小池文学の一端を成す後者には謂わばオチが用意されておらず、フランスやイタリアの映画でしばしば目にするいささか唐突にも思えるエンドマークを持って幕が下ろされる。そのためか、話によって物足らなさを感じてしまうのは否めないが、私たちの人生自体がハリウッド映画に見られがちなご都合主義のようなわけにいかないことを考えれば、この漠とした結びもそれはそれでまた良い なかでも、父とよく似た愛人のもとへ定期的に通う娘の姿を、両親のあいだで起きた過去の経緯を交えて描いた「父の手、父の声」は、ラストを含めて、全体の流れが素晴らしく、秀逸な一編だ (中公文庫版「紙の本」で読了)
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