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幽霊
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幽霊

チョン・ヨンジュン(著者), 浅田絵美(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 彩流社
発売年月日 2021/10/14
JAN 9784779127779

幽霊

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2024/03/09

本日図書館day。 読みかけの本は持って来てないけど小一時間ほど読書したいと、韓国文学を漁りに。 韓国のホラーは怖くてじめじめしていて大好きなのでタイトルと表紙を見てこれは良ホラーの予感!と思い薄くてすぐ読めそうだったので拝読。 結果、全然違った…。 心に響く文学作品でした。 ...

本日図書館day。 読みかけの本は持って来てないけど小一時間ほど読書したいと、韓国文学を漁りに。 韓国のホラーは怖くてじめじめしていて大好きなのでタイトルと表紙を見てこれは良ホラーの予感!と思い薄くてすぐ読めそうだったので拝読。 結果、全然違った…。 心に響く文学作品でした。 主人公のユンは刑務所で働く刑務官。昔から死にゆく者を静かに見守る事が好きで(死にかけてるわんちゃんとか)恐れる人もいれば冷静に仕事が出来ると評価する人もいる。 そんな彼が担当になったのは本名が一切出てこない死刑囚、四七四号。十二人を流れ作業のように殺してついに捕まりました。 模範囚ではありますがこっちも変わり者と有名で、誰ともつるまず物静かですが、関わるとおかずにされると刑務官の間で噂。 何故かユンはこの四七四号に興味を持ってしまい踏み込んでしまうのですが、四七四号もユンには興味を持ったらしく徐々に2人は会話をするように。 そんなある日、家族も支援団体もいない彼の元に1人の女性が面会に来るのですが、ここから彼の様子が大分変わって来る事に。 短い話なのに内容が濃厚で、常に死の匂いがしているにも関わらず何故か美しいと感じてしまいました。どことなくシェイクスピアの雰囲気が醸し出てるからかも知れません。 彼にはたった独りの肉親である姉が居たのですが、働く姉を待つ間にカニカマをしゃぶって待っていたというエピソードが庶民臭くて大好きなのですが、お陰でカニカマのサラダが食べたくなりました。 (カニカマ好きなのに蟹は嫌いな偏食家です) そんな四七四号の過去が徐々に明らかになって来ます。 先天的に痛みも熱も冷たさも感じない彼は、ロシアの氷った湖の中を平気で長距離泳いでいたと言うエピソードも。 初めて知ったのですが、ロシアの冬将軍に鍛えられた猛者達は極寒の湖に張った氷に穴を開けて、そこにそれぞれ温泉のように入って我慢大会をして髭を凍らせて笑ってるそうです。 なんという豪胆さ…そりゃドイツ負けるわ…。 話が逸れましたが、そんな四七四号は自分の事には無頓着なので牧師との面談やカウンセリングにも興味がありません。ところがこの面会をきっかけに突然牧師との対話を受け入れます。 このアンと言う牧師が元犯罪者が更生した模範例のような人なんですが、まあポンコツです。 なんという役立たず。 四七四号に良いように操られて絶対にやっちゃいけない事をやってしまいます。 この件により刑務所は、犯罪者擁護団体や国民などを巻き込んで大騒ぎに。 そして起こる大変な事件…。 結末が全く予想も着かなかったのですが、やっぱりシェイクスピアの匂いがします。 最後、とある人物がとった行動に、いつも持ち歩いてたそれはやっぱりそういう物だったんだ…とやり切れない気持ちになりました。 やっぱり韓国もアジア仲間なので(なんというアホな表現)どことなく日本の文学に通ずる所もありますので非常に読みやすかったです。 私の満たされなかったホラー熱は、後で『箪笥』でも見て満たしておこうと思います。 私にしては珍しく短い感想ですが(短くない?)本が薄い上にネタバレ禁止要素が多すぎなので、文学がお好きな方は是非ご一読下さい。 ただ、私は評価が甘すぎると評判ですのでもし読まれてみて「つまんねえじゃねえか!」というお怒りのコメント有りましたら、なるべく優しめでお願い致します。(何でも受け止めるスタイル)

Posted by ブクログ

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