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アイヌ民話集
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 青土社 |
発売年月日 | 2021/09/25 |
JAN | 9784791774203 |
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
北海道各地のアイヌに伝わる民話を集めた書。地域ごとの違いなどもそのまま載せられている。読み物としても面白い。神話としては人(アイヌ)がいて、その上にクマや狐等々の動・植物他神がいるのだが、その上にまた神がいるという世界観のようだ。
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詩人で、アイヌ文化研究家の著者が収集したアイヌ民集。初版が昭和38年で、何度か新たな話を加えて再版していった。60年以上も語り継がれている本ってすごいな。 収録されているお話は、著者が部落(コタン)巡りをして<古老が静かにすんだ声で、何のわだかまりもなく物語ってくれた P278...
詩人で、アイヌ文化研究家の著者が収集したアイヌ民集。初版が昭和38年で、何度か新たな話を加えて再版していった。60年以上も語り継がれている本ってすごいな。 収録されているお話は、著者が部落(コタン)巡りをして<古老が静かにすんだ声で、何のわだかまりもなく物語ってくれた P278>というものを発表しているので、読んでいても「聞いている」感覚になる。 そんなふうに語り継がれてきた民話を人間の話、獣の話、鳥の話、魚の話、虫の話、蛇や蛙の話、星や月の話、おばけの話、草や木の話、の項目に分けて紹介している。 最初の『人間の話』では、神々による天地創造や人間の創造から始まる。神様が人間を作ったときに「眠たい、食べたい」などの欲を入れて出来上がった、というのはちょっと面白い。 性にもあけっぴろげだ。「人間繁栄の元となる場所(要するに性器ですね)」をどこにつけたか、という話だとか、女の下の口で男を食っちまうんだとか、男が褌外してプ〜ラプラだとか 笑 私はアイヌの宗教観や風習はあまり知らないのだが、民話により感じとれることもある。このアイヌ民話に限らず、民話や神話、昔話を知ることはその人々の風習や価値観を知ることだと思う。 …ということで、アイヌ民話によく出てくるのが「神送り」。(神送りについては、「ひまなこなべ」という絵本がわかりやすいです) 神々は、獣(熊など)の姿を借りて人間界に遊びにやってくる。そこでしばらく大切にもてなし、神々の国にお帰りいただく。お帰りいただくには人間界に来るための体の部分である熊は神からの贈り物だとして、肉は食べ、毛皮で日用品を作る。人々が獣を狩るのは、神からの贈り物としてありがたくいただくのである。 村同士の争いや、厄災の神との争いも多い。 そんな争いには、談判(チャランケ)で、それぞれが自分の訴えを述べる。自分の言い分をたっぷり訴え、聞いた人はどちらが正しいかを判断する。力によるのではなく、時間を掛けてじっくりとお互いに納得する方法を探るやり方だ。 生きることは厳しく、突然の死や暴力もある。人間社会でみんなが生きるためには厳しい掟もある。そんななかでなるべく犠牲を少なくするために、じっくり時間を掛けて話し合いで解決しようというのも人間の知恵だ。 人間(アイヌ)と、神様や死者の霊や動植物おばけとの接触も語られる。 神は(動植物の神や、厄災の神も含む)人間(アイヌ)の国に降りたり、神が人間を気に入ったら殺して神の国に連れて行く。 そこで人間は、神や死んだ人には供物とお祈りを捧げて取り持ってもらう。この供物が、木を削って造られた木幣(イナウ)と呼ばれるもの。これを疎かにするとあの世での待遇が悪いようで、先祖の霊などが夢に出てくる民話の多い。 民話には、その民族独自の価値観が見られる。それと同時にまったく違う民族の民話に同じような話やわかり合えることがある。 人間とは独自でもあり、どんなに隔たっても同じであると感じられる。
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人間創造の話から始まり、虫や獣などテーマ毎に古老の聞き語りを纏めた一冊。 短いものは数行、長くて5ページ程のお話なので隙間時間に気軽に読める。 聞き語りをそのまま訳しているのか、一部で主語や状況が分かりにくい部分があるが、それも昔話特有の不条理さなのかもしれない。
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