面白くて眠れなくなる天文学 PHP文庫

縣秀彦(著者)

• 販売会社／発売会社: PHP研究所
• 発売年月日: 2021/09/14
• JAN: 9784569901732

商品レビュー

2024/05/26

私が非常に興味深く、驚いたのは七夕の星についてである。
それは、織り姫からの光は25年前の光が地球に届いていることになり、彦星からの光は17年前の光になる。そして、両星間の距離は15光年ある。つまり、七夕が近づいて、織り姫が彦星に、「七月七日に天の川で会いましょう」と連絡しても、その電波は15年後にしか届かず、彦星が「いいよ」とすぐに返したとしても30年経たないと織り姫に返事が届かないということになる。そして、一度会いに行って帰るだけで何十年もの年月を要するため、天文学的には、織り姫と彦星は毎年会うことはできないのだ。このことを知るまでは、七夕伝説から、年に一度しか会えないのに雨が降ってしまい今年も会えなかったのかと思っていたのに、そんな程度の話ではなかったのだ。これには衝撃だった。