Q&A リモート新時代の法律実務 労働問題、契約、セキュリティ・個人情報、株主総会・取締役会等の運営、紛争解決、知的財産・エンターテインメント

足木良太(編著), 安藤尚徳(編著), 上沼紫野(編著), 柴山将一(編著), 田島正広(編著), 牧山嘉道(編著)

• 販売会社／発売会社: 日本加除出版
• 発売年月日: 2021/08/04
• JAN: 9784817847256

商品レビュー

2023/05/02

リモートでの就労をキーワードにした法律実務。新型コロナが5類扱いになり、やや遅きにという感もあるが、これから増えるだろうオンライン、オフラインのハイブリッド型の新常態に対しても有効。また、リモートに限らず、従来の法解釈も学べるために一石二鳥。

例えばというか、以下、メモ書き。

就業規則の必要記載事項は、労基法89条1号から10号までに掲げられている。労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項を記載しなければならない。5号条文。リモートワークの場合でも、事務用品や通信費を労働者に負担させる場合、その旨を就業規則に記載する必要がある。但し、労働者10人未満の使用者は労基法89条により就業規則を作成する義務はない。

リモートワークであることを持って労働時間に相当した基本給とすると言うことで減額するのは合理的ではない不利益変更として無効となる可能性が高い。これは、労働契約法9条10条。

働き方改革実行計画では、モデル就業規則を改定し許可なく他の会社等の業務に従事しないことという規定を削除。労働者は、勤務時間外においては他の会社等の業務に従事することができると定めている。その場合も、安全配慮義務、秘密保持義務、競業避止義務、誠実義務があるが、副業に対し、寛容化していく流れだ。

フランスでは、2016年の労働法改正においてつながらない権利に関する規定が導入。デジタルツールの使用規制。スマホを持たせて、いつでも擬似待機状態というのは是か否か。