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コモンズとしての日本近代文学
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | イースト・プレス |
発売年月日 | 2021/08/20 |
JAN | 9784781619989 |
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「日本近代文学は、いまや誰でも今ここでアクセスできる我々の共有財産(コモンズ)である。そこにはまだまだ底知れぬ宝が隠されている。」(本書の帯より) 帯に記されたこの言葉と、本書の冒頭に示されている「文芸オープンソース宣言」だけでも、一読の価値がある。とくに、文学の教育、言葉の教育...
「日本近代文学は、いまや誰でも今ここでアクセスできる我々の共有財産(コモンズ)である。そこにはまだまだ底知れぬ宝が隠されている。」(本書の帯より) 帯に記されたこの言葉と、本書の冒頭に示されている「文芸オープンソース宣言」だけでも、一読の価値がある。とくに、文学の教育、言葉の教育に関わる人たちには読んでほしいと思っている。 高等学校国語科再編において、文章を「論理的な文章」「実用的な文章」「文学的な文章」の三者に大別し、科目ごとに扱いうる「〇〇な文章」を限定したことが話題となっている。この分け方には「文学的文章では、論理は学べない」といった偏見が見え隠れするが、一方でそれに対して反論する側の言葉のなかにも、「実用的な文章で学べるものは、表面的な『型』やスキルだけだ」といった偏見が見られる。この議論に関わる人びとが、皆、それぞれに自分がふだんから「ジャンル」に対してある種の偏見を持ち、それをベースに何かを言い合っているような…そんな印象を受ける。 本書で紹介されるいくつもの文章と、それに対するドミニク・チェン氏の読み解き、そして新たな着想を示した文章を見ていると、このような分類もそれに対する(偏見に満ちた)議論も、まるで意味がないということを軽やかに提示されているような気がする。 誰がどのように分類しようと、私たちの目の前に広がるのは、「底知れぬ宝」が隠された数々の先人の蓄積なのだ。その「底知れぬ宝」をいかに読み解き、新たな創造へとつなぐことができるのか。そのことを、真っすぐに考えさせてくれる本である。
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