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零號琴(下) ハヤカワ文庫JA
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2021/08/18 |
JAN | 9784150314972 |
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零號琴(下)
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商品レビュー
4.3
11件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
凄まじい本だった。豊富で繊細な言葉が、こっちの想像力の枠を押し広げていくかんじがする。詩的な文章、色や質感を表す無数の語彙、文体が好きだし、上巻のアヴァンタイトルでもう参ってしまった。それでも作者のいわんとすることに私の貧困な想像力が追いついた気はしなくて、特に下巻の仮劇本番なんか、全然仔細に理解出来ていないんだろうな。一気読みしたこともあって体力すら追いついていないし…疲れた…笑 〈行ってしまった人たち〉の未知なる力によって支えられた世界観や魅力的なキャラクター、何よりストーリーを夢中で追っていたら、最後の最後で物語は時間を遡り、陰鬱で恥辱にまみれ、だからこそ隠されていた「初め」を明かす。SFの最高のカタルシスだし、それを味わえてとても幸せ。でも欲を言うならセルジゥの活躍をもっと見たかったし、パウルやクレオパトラの鼻を明かす痛快さも味わいたかった。笑 とにかく続きが読みたい。せめてセルジゥがもう少し身体のパーツを取り戻すところが読みたい…。 作者がノートで述べていた通り「お気楽な読み物」だと思って読んでいたから、解説で「それだけじゃない」可能性の一端を知って目を剥いてしまった。買ったのがずいぶん前なので帯付きの本だったんだけど、帯の煽り文句「それは日本SFの呪いか、それとも希望か」ってそういうことか。そういう読み方もあるのか。 かつて一度だけ鳴った零號琴は原爆のメタファーでその余韻は今現在も続いている。その上で、私達(SFファン?戦後日本SFそのもの?)は梦卑ではないだろうか。原爆によって焼きついてしまい、同じ仮劇を何度も繰り返すことで自らを想像している。その目を覚まさせることに作者の企みがあると、解説はいう。 〈亜童〉はアトム、〈牛頭〉はゴジラ、……多分〈鉄靭〉は鉄人だよね。〈守倭〉はウルトラマン? あとはなんだろう…。〈鋳衣〉〈孤空〉〈ぼう藍〉…うーん。 ⚫︎あらすじ 想像しえぬものが、想像された。 著者デビュー40周年記念刊行 はるかな未来、特種楽器技芸士のセルジゥ・トロムボノクと相棒シェリュバンは、大富豪パウル・フェアフーフェンの誘いで惑星美縟を訪れた。そこでは首都磐記全体に配置された古の巨大楽器〈美玉鐘〉が五百年ぶりに再建されるのを記念し、首都の全住民が参加する假面劇の準備が進んでいた。だが案内役の咩鷺、菜綵とともに劇を観ていたトロムボノクらは、突如何者かの襲撃を受け――規格外の想像力に彩られた著者第二長篇 (ハヤカワオンラインより引用)
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SF的想像力 理解しようとしてはいけない 音で感じる。 読み方の難しい漢字も勝手にイメージで読んでしまう度胸が大切。 「音」とは波動であり「空気の揺らぎ」である。人は脳を通じて「音」を認識する。 ドタバタ的アクションSF物語なので、そのものでも忙しく楽しい。 か、「SF的想...
SF的想像力 理解しようとしてはいけない 音で感じる。 読み方の難しい漢字も勝手にイメージで読んでしまう度胸が大切。 「音」とは波動であり「空気の揺らぎ」である。人は脳を通じて「音」を認識する。 ドタバタ的アクションSF物語なので、そのものでも忙しく楽しい。 か、「SF的想像力」を駆使して深読みすると、なかなか難物となる。 あとがきの解説には助けられた。
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2023-04-17 連載で読んでいたのとはかなり印象が違った。もちろん推敲されていることも大きいのだろうけど、一気読みすることでより祝祭感が際立ったように思う。 モデルというか元ネタもじわじわ迫ってくる。言葉による幻惑を堪能した。
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