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ネルソン・マンデラ 分断を超える現実主義者 岩波新書1888
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2021/07/26 |
JAN | 9784004318880 |
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ネルソン・マンデラ
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商品レビュー
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牛殺し ノンガウセ ヨーロッパ人が持ち込んだ病気で牛が次々と死んだときに、ノンガウセという16歳の少女が、生き残った牛をすべて殺せば忌々しいイギリス人が全滅するとか何とかいう予言をして、それを信じた人たちが牛殺し事件を起こした。その結果、南アフリカでは約4万人が飢餓で死亡したらし...
牛殺し ノンガウセ ヨーロッパ人が持ち込んだ病気で牛が次々と死んだときに、ノンガウセという16歳の少女が、生き残った牛をすべて殺せば忌々しいイギリス人が全滅するとか何とかいう予言をして、それを信じた人たちが牛殺し事件を起こした。その結果、南アフリカでは約4万人が飢餓で死亡したらしい。一体どういうわけでそんなことに? ネルソン・マンデラはテンブ族という一族の首長の息子だった。早くに父を失ったが、父の親族の過程で家族同然に育てられ、高い教育を受けて育った。 アパルトヘイトは、白人の最下層だったアフリカーナ―たちのアフリカーナー・ナショナリストの政党が1948年の選挙で勝利して政権を獲得したことで始まった。 ナチスと似たような流れだ。ファシズムでポピュリスト政権だったのかな。 イスラエルとパレスチナ、そしてウクライナとロシアの紛争を解決するには、ネルソン・マンデラみたいな政治家が現れるような奇跡でも起きなければ無理だろうと、図書館で目についてこの本を借りてみた。 ネルソン・マンデラのイメージがだいぶ変わったけれど、変に聖人のような描き方をされていないところが気に入った。 若いころに結婚が嫌で養父の牛を盗んで売って、お金をもって逃げ出したエピソードが特に好きだ。 恵まれた暖かな家庭で育ったが、良い夫にも良い父親にもならなかった。深い思想を持っていたわけでも、もともと政治の世界に興味を持っていたわけでもない。 必要に迫られて、その時点で最も良いと思われる行動を反射的に取ることのできる頭の回転の速さと、現実と理想のバランスを見極めるバランス感覚が、ネルソン・マンデラを唯一無二の人にした。それと、相手の話に耳を傾ける能力も重要だった。 https://wedge.ismedia.jp/articles/-/12456 ウィニー・マンデラが政治闘争を続けなければ、ネルソン・マンデラの名前は世界から忘れ去られていた。でも、ネルソン・マンデラに比べウィニー・マンデラの名前はほとんど語られない。 どうしてだろうとウィニー・マンデラを調べてみたら、予想していたよりとんでもない人だった。
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自分がネルソン・マンデラを知ったのは、中学の授業で見た映画『インビクタス』でした。 あの映画を見たときのマンデラのイメージは、黒人であり差別や投獄を経験しながらも、怒りや恨みにとらわれず白人に理解や敬意を示し、南アフリカ初の黒人大統領として国をまとめ上げた聖人というものでした。...
自分がネルソン・マンデラを知ったのは、中学の授業で見た映画『インビクタス』でした。 あの映画を見たときのマンデラのイメージは、黒人であり差別や投獄を経験しながらも、怒りや恨みにとらわれず白人に理解や敬意を示し、南アフリカ初の黒人大統領として国をまとめ上げた聖人というものでした。 でもこの本を読むと、マンデラの別の側面が見えてきたように思います。 自分が一番驚いたのが、平和主義者だと思っていたマンデラが若いころは共産主義との合流を考えていたり、武力闘争を辞さない組織に所属していた過去があり、マンデラ自身も武力闘争は仕方ない、と考えていたことがあったということでした。 そのマンデラがノーベル平和賞を受賞し、人種間の融和を推し進める大統領になったというのは、歴史や平和というのは紙一重の中で成立するものなのだと感じざるを得ません。 マンデラが武力闘争から平和主義へ舵を切った理由。それは世界の目があり、そして協力を取り付けるためだったように思います。 人種対立、低迷する経済と問題が山積みの南アフリカ。その状況下で人種隔離の政策「アパルトヘイト」を撤廃させ国を立ち直らせるためには、海外からの協力や外圧が一番効率的。 そのためには武力ではなく、あくまで平和的に変えていかなければならない。 そしてかつての支配層だった白人とも協力して、人種間の融和を演出すれば、より海外は南アフリカに目を向けるだろう。 そんな冷静な打算が、結果として自分が見た映画「インビクタス」に描かれたマンデラにつながっていったように思います。 理想のために共産主義や武力闘争と、その時代の趨勢を読み行動し続けたマンデラが、最後にたどり着いた最適解が平和と融和だった。この本の副題でもある現実主義者だからこそ、マンデラは立場や考え方を柔軟に変え、対立や恨み怒りすらも、飲み込み、平和主義者に転身したように感じます。 そう考えると現代の戦争や対立構造が収まらない理由もなんとなくわかる気がします。アメリカをはじめとした民主主義的で(一応は)人種差別を良しとしない国の影響力が弱くなり、中国をはじめとした権威主義の国の影響力が大きくなった世界。 そうなるとアメリカやヨーロッパの協力を得るために、融和や平和を唱える必要もなくなり、各国の権力者は自国、あるいは自分の実利を現実的に考え行動する。 その結果が今の世界の分断であったり、グローバルサウスであったり、ロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルの民間人を巻き込んだハマスへの報復を止められない世界だったりするのかな、と感じます。 南アフリカだって、時代が違えば黒人大統領が生まれることも、アパルトヘイトが無くなることもなかったのかもしれません。 歴史も平和も当たり前のものでなくて、利害が一致してなんとか保たれるものなのかもしれないと、マンデラと南アフリカの軌跡を知り、今の世界のことを考えて思いました。 だからこそ、今必要なのは平和や融和の思想の押し付けではなく、それらの利点を粘り強く唱えていくしかないのかも、ということを感じてしまいました。
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客観的に事実を中心にマンデラについて書かれているので、ストーリー的な面白さはないけれども、理解しやすい。
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